建築設備の複雑化・高度化に伴い、建築設備士の専門知識へのニーズが高まっています。
特に各建物の省エネ基準適合義務化によりさらなる需要増加が見込まれています。
建築設備士を取得することで、建築設備全般に関する高度な知識と技能を持つ専門家として認められるだけでなく、一級建築士など他の建築系資格の受験資格が得られるなどのメリットが多数あります。
しかし、建築設備士に関する情報はそれほど多くなく、また教材なども限られているため勉強方法に自信が持てず不安になっている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、建築設備士を目指す方向けに効率的な勉強方法と、資格取得により得られる具体的なメリットと資格を生かした具体的なキャリアアップの方法について解説しています。
建築設備士試験の概要と難易度
試験の構成と内容
建築設備士の試験は、一次試験(学科試験)と二次試験(設計製図試験)で構成されています。
一次試験(学科試験):
- 内容:建築一般知識、建築法規、建築設備に関する問題が出題されます。
- 形式:四肢択一のマークシート方式で、計105問です。制限時間は建築一般知識と建築法規が2時間30分、建築設備が3時間30分です。
二次試験(設計製図試験):
- 内容:建築設備基本計画、建築設備設計に関する問題が出題されます。
- 形式:記述式で、制限時間は5時間30分です。
試験の難易度と合格率
建築設備士試験の合格率は例年15~20%程度で、非常に難易度の高い試験とされています。このため、しっかりとした準備と計画的な勉強が必要です。
建築設備士試験の効率的な勉強方法
1. 第一次試験(学科試験)の対策
学科試験に合格するためには、過去問題集を最低2-3回繰り返し解くことが重要です。特に、「建築設備士 学科試験 問題解説」(総合資格)はおすすめです。過去5年分の問題と解説が掲載されており、試験の傾向を把握するのに役立ちます。
科目別のアプローチ
- 建築一般知識(27問出題):建築計画、環境工学、構造力学などの分野が含まれます。これらの分野は基礎的な知識をしっかりと押さえることが大切です。
- 建築法規(18問出題):建築士法や建築基準法が中心です。法令の条文を丸暗記するのではなく、実際の適用例を通じて理解することが求められます。
- 建築設備(60問出題):設計計画や施工に関する問題が中心です。設備の設計や施工に関する基本的な知識をしっかりと理解することが必要です。
効率的な学習方法
- 4択問題を2択問題として捉える:迷った場合は、確実に分かる選択肢を選び、残りの選択肢を絞り込むことで、効率的に解答できます。
- 重要なメモの整理:学習中に重要だと感じたポイントは、整理してまとめておくことで、復習時に役立ちます。
- 基本的な概念や原理の理解:細かい知識にとらわれるよりも、基本的な概念や原理をしっかり理解することが大切です。
- 隙間時間の活用:通勤時間などの隙間時間を有効に使うために、過去問題集を科目別・年度別に裁断して持ち運びやすくするのも一案です。
2. 第二次試験(製図試験)の対策
製図試験は独学での合格が難しいため、講習会に参加することを強くおすすめします。講習会では、実際の試験に即した指導を受けることができ、独学よりも効果的に学ぶことができます。
おすすめは総合資格の「建築設備士設計製図コース」です。全58時間、添削指導8回の充実のカリキュラムとなっており、基礎から実践的な課題対策までしっかりと学ぶことができます。
建築設備士取得のメリット4選!
建築設備士の資格は、建築設備に関する専門知識と技術を証明する国家資格です。この資格を取得することで、キャリアアップ、高い年収、就職先の多様性など、様々なメリットを得ることができます。以下では、それぞれのメリットについてより詳しく解説していきます。
キャリアアップ
建築設備士は、建築士と比較しても専門性が高く、希少価値の高い資格と言えるでしょう。そのため、キャリアアップにおいて大きなアドバンテージとなります。具体的には、以下のことが期待できます。
- 昇進・昇格: 設計事務所や建設会社などにおいて、プロジェクトマネージャーや技術指導者、さらには管理職など、より高い職位への昇進・昇格が期待できます。
- 専門性の高い職務への就労: 設備設計、施工、保守管理など、専門的な知識や技術が求められる職務に就くことができます。
- 独立開業: 経験と知識を活かして、独立開業することも可能です。
- 幅広い分野への転職: 建築設備に関する知識は、住宅、ビル、商業施設、工場など、幅広い分野で活かすことができます。そのため、希望する業界や職種への転職もしやすくなります。
- 海外での活躍: 近年、建築設備技術の海外進出が盛んになっており、英語力と建築設備士の資格を活かして海外で活躍することも可能です。
建築設備士は、建築物の重要な要素である設備に関する専門知識を持つため、その存在は企業にとって非常に重要です。資格取得によって専門性を証明することで、キャリアアップのチャンスが広がるでしょう。
高い年収
建築設備士の平均年収は約600万円と言われています。これは、他の建築系資格と比較しても高い水準です。特に、経験豊富な建築設備士や、高度な専門性を有する建築設備士は、さらに高い年収を得ることができ、1,300万円といった超高年収求人もあります。
高い年収が期待できる理由としては、以下のことが挙げられます。
- 専門性の高さ: 建築設備は、建築物の安全性や快適性を左右する重要な要素です。そのため、建築設備士には高度な専門知識と技術が求められます。
- 希少性の高さ: 建築設備士は、建築士全体の約5%しかいない希少な資格です。そのため、企業にとって人材確保が難しく、高い給与で人材を確保しようとします。
- 責任の大きさ: 建築設備士は、建築物の安全性を担保する重要な責任を負っています。そのため、責任の大きさに応じた報酬が支払われます。
建築設備士の資格は、高い専門性と希少性、そして責任の大きさが評価されるため、高い年収を得ることができるのです。
就職先の多様性
建築設備士は、多岐にわたる業界で活躍することができます。以下は、主な就職先例です。
- 設計事務所: 建築設備の設計を専門に行う事務所
- 建設会社: 施工現場で建築設備の管理や監督を行う
- 設備工事会社: 建築物の設備工事を専門に行う会社
- 官公庁・自治体: 公共施設の設備管理や新規建設プロジェクトに関わる
- メーカー: 建築設備機器の製造・販売
- コンサルタント会社: 建築設備に関するコンサルティング業務
- 金融機関: 不動産融資や建築設備関連のファイナンシャルアドバイザー
このように、建築設備士は、建築業界だけでなく、様々な業界で活躍することができます。自分の興味やキャリアプランに合わせて、最適な就職先を選ぶことができます。
就職・転職の際には建築・設備に強いエージェントを利用することをおすすめします。
おすすめエージェントについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
また、設備業界の仕事全般についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
その他のメリット
上記以外にも、建築設備士の資格取得には、以下のようなメリットがあります。
- スキルアップ: 資格取得に向けて勉強することで、建築設備に関する幅広い知識と技術を身につけることができます。
- 社会貢献: 建築設備士として、安全で快適な建築物づくりに貢献することができます。
- 資格手当: 多くの企業で、建築設備士の資格手当が支給されています。
- 将来性: 今後も建築設備の重要性はますます高まっていくことが予想されるため、将来性のある資格と言えます。
おすすめ動画・サイト2選
「おしゃもじの建築設備チャンネル」:
建築設備士の勉強法だけでなく、建築設備全般についてわかりやすく解説されています。
「設備設計ブログ」:
こちらのブログも非常にわかりやすく、かつ具体的に試験勉強方法が解説されています。
まとめ
建築設備士資格の効率的な勉強方法と資格取得のメリットについて解説しました。
建築設備士は希少性の高い資格であるため、資格取得によりキャリア・年収アップの機会が大きく広がります。
学科試験の効率的な勉強方法は、とにかく過去問題集を繰り返し解くことです。
基本的な概念や原理を理解し、重要だと思った部分のメモを整理する。
隙間時間を有効活用し、勉強時間を捻出する。これにつきます。
製図試験は独学が難しいため、講習会への参加一択です。
おすすめは総合資格の「建築設備士設計製図コース」です。
この記事をきっかけに、多くの方が建築設備士に合格されることを祈っています。
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