【需要急拡大中!】ゼネコンの設備職として働くということ

ゼネコン

近年、建設業界において設備職の需要が急速に拡大しています。その背景には、技術革新や持続可能な建築へのニーズの高まりがあります。

ゼネコン(ゼネラルコントラクター)における設備職は、建築物の設計・施工からメンテナンスまでの全過程で重要な役割を担っています。

本記事では、ゼネコンにおける設備職の仕事内容、必要な資格、キャリアパスなどを詳しく解説します。

この記事を読むことで、ゼネコンの設備職を目指す方々が具体的なキャリアビジョンを描けるようになります。

ゼネコン設備職の基本情報

ゼネコンとは大規模プロジェクトの取りまとめ役のこと

ゼネコンとは、建設プロジェクトの企画から設計、施工、引き渡しまでを一括して管理する企業を指します。大規模な建設プロジェクトを担当し、多くの専門業者(サブコン)を取りまとめる役割を果たします。

設備職は建築設備(電気・ガス・水道・空調など)を専門に取り扱う職種

設備職とは、建物の設備(電気、空調、給排水、消防など)を設計・施工・維持管理する専門職です。

具体的な仕事内容は、設備の設計図作成、施工現場での管理、定期点検、修理などです。

ゼネコンの中で設備職は必要不可欠な重要ポジション

ゼネコンは建設プロジェクト全体を管理・監督する役割を担っています。

その中で設備職は、建物の快適性や安全性を確保するために欠かせない存在です。

空調、給排水、電気設備などの設計・施工・維持管理を担当する設備職は、プロジェクトの品質を直接左右するため、非常に重要な役割を担っています。

ゼネコンとサブコンの違い

ゼネコンはプロジェクト全体の管理を行うのに対し、サブコンは特定の設備工事を専門的に担当します。

例えば、空調設備や電気設備のみを担当するのがサブコンです。

ゼネコンはサブコンを統括し、プロジェクトの進行を管理します。

ゼネコン、サブコンの代表的な企業についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

設備職の需要は急拡大中!

建設業界では、都市再開発やインフラ整備のプロジェクトが増加しています。これに伴い、設備職の需要も急速に拡大しています。

特に老朽化したインフラの更新や、新しい技術の導入が進んでいるため、設備職の重要性が高まっています。

また、技術革新により、建設業界ではスマートビルディングやエコビルディングの需要が増えています。

近年ではZEB等の認証取得が活発になってきています。

ZEB取得を目標とする建物では、エネルギー効率や環境負荷の低減が重視されるため、最新技術の知識とスキルをもった設備職が求められています。

設備職の具体的なプロジェクト事例

ビル群

代表的なプロジェクトの紹介(超高層ビルや大規模インフラ)

設備職が関わる代表的なプロジェクトには、超高層ビルや大規模インフラの施工管理があります。

例えば、東京スカイツリーのようなランドマーク的な建物や、新幹線の駅舎、大型商業施設などです。

これらのプロジェクトでは、設備の設計・施工・維持管理が重要な役割を果たします。

それぞれのプロジェクトでの設備職の役割

例えば超高層ビルのプロジェクトでは、空調設備や給排水設備の設計と施工が重要です。

ビルの高さに応じた圧力調整や、エネルギー効率の高いシステムの導入が求められます。

また、大規模インフラプロジェクトでは、電気設備の信頼性や耐久性が重視されます。

新幹線の駅舎では、停電が許されないため、非常用電源の設置や定期的な点検が欠かせません。

設備職は環境問題のスペシャリスト

環境に配慮した建築と設備管理の役割

現代の建設業界では、エコロジーや持続可能性が重要なテーマとなっています。

ゼネコンの設備職は、建物のエネルギー効率を高め、環境負荷を低減するための設計・施工・管理を担当します。

太陽光発電システムの導入や、省エネ型空調システムの設計を通して持続可能な建築物の実現に貢献することができます。

ゼネコンが取り組む持続可能な建築プロジェクト

多くのゼネコンは、持続可能な建築を実現するために、さまざまな取り組みを行っています。

例えば、再生可能エネルギーの活用、建材のリサイクル、環境負荷の低い工法の採用などです。

こうした取り組みは、環境保護だけでなく、社会的な評価を高め、企業のブランド価値向上にも寄与します。

設備職としては、これらのプロジェクトに参加することで、環境保全に貢献し、社会的意義のある仕事を実感することができます。

ゼネコン設備職の役割と仕事内容

ゼネコンの設備職は、建物の電気設備、空調設備、給排水設備などを担当する専門職です。ここでは、ゼネコン設備職の中にも様々な職種がありますが、代表的な4職種の仕事内容について解説します。

営業

営業

営業職は、クライアントとのコミュニケーションを担当し、新しいプロジェクトの獲得を目指します。営業職の主な仕事には以下のようなものがあります。

  • 顧客との打合せ
    顧客のニーズや要望を聞き取り、最適な提案を行います。
  • プロジェクトの提案書作成
    プロジェクトの概要や見積もりを含む提案書を作成し、顧客に提出します。
  • 契約交渉
    契約条件や予算について顧客と交渉し、契約を締結します。
  • アフターフォロー
    プロジェクト完了後も顧客との関係を維持し、追加の依頼やサポートを行います。

営業職はクライアントとの信頼関係を築くことが重要です。

また、建設プロジェクトに関する幅広い知識が求められます。

設計

設計

設計職は、建物の設備の詳細な設計図を作成する役割を担います。

設計職の主な仕事には以下のようなものがあります。

  • 基本設計
    建物の全体的な設計方針を決定し、基本的な設計図を作成します。
  • 詳細設計
    基本設計を基に、細部まで詳細な設計図を作成します。具体的な設備の配置や仕様を決定します。
  • 設計変更対応
    施工中に生じる変更や修正に対応し、設計図を更新します。
  • 関係者との調整
    他の設計者や施工管理者と連携し、設計図の内容を共有し調整します。

設計職は、高度な技術知識と設計ソフトウェアのスキルが必要です。

また、正確で詳細な設計図を作成するための注意力も重要です。

見積・積算

見積

見積・積算職は、プロジェクトのコストを算出する役割を担当します。

見積・積算職の主な仕事には以下のようなものがあります。

  • コスト算出
    設計図を基に必要な材料や工事のコストを見積もります。
  • 予算管理
    プロジェクト全体の予算を管理し、コストオーバーしないように調整します。
  • 見積書作成
    クライアントに提出する見積書を作成し、詳細なコスト内訳を記載します。
  • コスト最適化
    コストを削減するための方法を検討し、効率的な資材調達や工法を提案します。

見積・積算職は、正確な計算能力と予算管理のスキルが求められます。

また、コスト削減のためのアイディアや工夫も重要です。

施工管理

施工管理

施工管理職は、設計図通りに設備が施工されるように現場を管理します。施工管理職の主な仕事には以下のようなものがあります。

  • 施工計画の立案
    工事のスケジュールや手順を計画し、円滑な施工をサポートします。
  • 現場管理
    工事現場での作業を監督し、品質や安全を確保します。
  • 進捗管理
    工事の進捗状況を把握し、予定通りに進むよう調整します。
  • 品質管理
    施工された設備の品質を確認し、問題があれば修正を指示します。
  • アフターメンテナンス
    施工後の設備が正常に機能するように定期点検や必要な修理を行います。

施工管理職は、現場での実務経験やリーダーシップが重要です。

また、問題解決能力とコミュニケーションスキルも求められます。

現場からの声〜ゼネコン設備職の魅力?激務?〜

実際にゼネコンの設備職で働く人々の声を聞いてみました

設備に求められるものは時代とともに変化する。その時々の最先端を取り入れ顧客のニーズにどう答えるか、打ち合わせを重ねながら具現化していくことが魅力

計画どおりにできたときや、イメージを超えた空間が完成したとき。快適さや利便性を追求して、建物の付加価値を高められることも魅力の一つ

建物用途が変われば設備の内容もガラッと変わる。様々な建物に携わることができ、いつも新しい発見があって楽しい

仕事はきついが年収は高い。20代で1,000万近くなることも。

小現場であれば自分ひとりで設備工事を牛耳ることができ、所長からも頼られる。

プロジェクトの始めから終わりまで携わることができるので、達成感が半端ない。

独身のうちは良かったが、家庭をもってからの地方への単身赴任はきつい。

ゼネコン設備職のキャリアパスと将来性

入社後のキャリアパスと昇進の流れ

ゼネコンの設備職では、入社後はまず現場での実務経験を積むことから始まります。

その後、主任、課長、部長といった管理職への昇進の機会があります。

管理職になると、現場の管理だけでなく、プロジェクト全体の計画や調整も担当します。

労働環境は年々改善されている!

一昔前の建設業界では、長時間労働が課題となっていましたが、近年は働き方改革が進められています。

特に2024年から残業規制が法律でかかっているため、各社受注調整や人員の積極採用などでなんとか法を遵守しようと必死になっています。

具体的には、残業時間の削減はもちろんのこと、週休2日制の導入、フレックスタイム制度の適用などが行われています。

この他にも各企業ではさまざまな取り組みが行われています。

例えば、育児休暇や介護休暇の取得促進、テレワークの導入、メンタルヘルスケアの充実などです。

社員が長く安心して働ける環境が整備され、企業全体の生産性向上にもつながる取り組みは、今後も多くの企業で導入されていくでしょう。

国際展開とグローバルなキャリア機会

海外プロジェクトへの参加機会とそのメリット

ゼネコンは国内外で数多くのプロジェクトを手がけており、海外でのプロジェクトに参加することで、設備職としての国際的な経験を積むことができます。

また、海外プロジェクトでは先進的な技術や異なる建設規格に触れる機会が多く、技術力の向上にもつながります。

例えば、東南アジアや中東の大規模インフラプロジェクトに参加することで、グローバルな視点を持った技術者としての成長が期待できます。

グローバルな視点でのキャリアパス

海外での経験を積むことで、国内だけでなく、国際的なキャリアパスを描くことが可能になります。

例えば、海外プロジェクトでの経験を基に、国内外の大手ゼネコンや外資系建設会社でのキャリアを築くことができます。

また、グローバルなプロジェクトマネージャーや国際事業部のリーダーとして活躍するチャンスも広がります。

海外経験にを積むことでキャリアの幅が広がり、高収入や高ポジションを目指すことが可能になります。

最新技術の導入と影響

建設業界での最新技術(BIM、IoT、AIなど)の紹介

近年、建設業界ではBIM(Building Information Modeling)、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence)などの最新技術が導入されています。BIMは、建物のデジタルモデルを作成し、設計から施工、維持管理までの全工程で利用されます。

IoTは、建物内の各種設備をインターネットに接続し、リアルタイムでの監視や制御を可能にします。

AIは、データ分析や予測メンテナンスなどに活用され、設備の効率的な運用を支援します。

最新技術が設備職にどのように影響しているか

最新技術の導入により、設備職の業務内容も大きく変わっています。

BIMを活用することで、設計段階から施工、維持管理まで一貫したデータ管理が可能となり、業務の効率化が図れます。

また、IoTやAIを活用することで、設備の故障予測やエネルギー管理が精緻化され、より高度な技術が求められるようになっています。

スキル・資格取得で年収アップ!

推奨される資格(一級建築士、1級施工管理技士など)

設備職には、特定の資格が必要とされることが多いです。

代表的な資格には、一級建築士、1級施工管理技士、電気工事士などがあります。

これらの資格を取得することで、専門知識を持つ証明となり、キャリアアップの道が開けます。

企業によっては資格取得支援制度や資格手当を設けているところもあります。

スキルアップのための具体的な方法

スキルアップのためには、まずは現場で実務経験を積むことです。

また、専門書籍の読書、オンライン講座の受講なども役立ちます。

新しい技術や知識を常に学び続ける姿勢が重要です。

設備職になるための転職活動の進め方

転職支援サービスの利用

転職を考える際には、転職支援サービスを利用することが非常に有効です。これらのサービスは、設備職に特化した求人情報を提供するだけでなく、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策などのサポートも行ってくれます。

大手転職エージェントは、豊富な求人情報と専門的なアドバイスを提供してくれるため、初めての転職活動でも安心して進めることができます。

おすすめの転職エージェントについては以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
【設備エンジニア向け】オススメ転職エージェント4社を比較 転職エージェントはキャリア支援のプロフェッショナルであり、求職者と企業を結びつける専門家として重要な役割を果たしています。 エージェントは、求職者の希望やスキ...

未経験者向けのアドバイス

未経験者が設備職に転職する場合、まずは基礎的な知識を身につけることが重要です。

設備職に関連する資格を取得することで、知識を証明することができます。また、実務経験がない場合でも、インターンシップ等を通じて現場経験を積むことが有効です。

さらに、自己PRでは、過去の仕事で培ったスキルや能力がどのように設備職に応用できるかを具体的に示すと良いでしょう。

まとめ

設備職は、建物やインフラの心臓部を支える重要な職種であり、やりがいのある仕事です。

技術の進歩により、新しい知識やスキルが常に求められるため、自己成長の機会が豊富にあります。

また、持続可能な建築や最新技術の導入により、社会的な意義も高まっています。

設備職の需要は今後も拡大が予想されており、将来性のある職種と言えるでしょう。

設備業界全体についてはこちらの記事で解説しています。

あわせて読みたい
【就職、転職活動中の方向け】「設備業界で働くってどんな感じ?」をわかりやすく解説! 就職・転職活動を行う中で、設備業界に興味を持たれた方の中には以下のようなお悩みをお持ちではないでしょうか? ・まったくの未経験だがやっていけるのだろうか? ・...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

設備設計歴15年以上。
サラリーマンエンジニアとして日々奮闘中。
ニッチな設備業界を盛り上げるべく、情報を発信していきます。

コメント

コメントする

目次