防爆構造と聞くと、
- 危険場所の区分が複雑で整理できない
- 結局どの防爆構造を選べばいいのか迷う
と感じていませんか?
可燃性ガスや蒸気を扱う設備では、防爆構造の理解不足がそのまま事故につながりかねません。しかし、防爆の規格や危険場所分類は馴染みがなく、全体像がつかみにくいのが実情です。
この記事では、
- 防爆構造とは何か
- 危険場所区分の決まり方(放出源・換気度・有効度)
- 危険箇所に応じた防爆構造選定の原則
を体系的に整理します。
防爆の基礎から実務まで、文章ではわかりにく部分を図解化しわかりやすく解説しています。
目次
防爆構造とは

可燃性ガスや可燃性液体の蒸気が空気と混合すると、爆発性雰囲気が生成されます。
この爆発性雰囲気が電気火花や高温物体などの点火源に触れると爆発や火災が起きる可能性が高くなるため、爆発を防止する構造とする必要があります。
爆発による労働災害防止措置は「労働安全衛生法」「電気事業法」「消防法」によって規定されています。
防爆電気機器とは爆発性雰囲気の着火源とならないように、爆発を防止する対策が施された電気機器のことです。
防爆検定には現在下記2種類の防爆指針が存在します。
- ガス蒸気防爆2006(通称「構造規格」)
- 国際整合技術指針Ex2015,2018(通用「国際整合指針」)
防爆の危険場所について

危険場所は蒸気またはガスによる爆発性雰囲気の生成頻度および持続時間によって次の3つに区分されます。
- 特別危険場所:爆発性雰囲気が通常の状態で連続して存在する場所
- 第一種危険場所:通常の状態において爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所
- 第二種危険場所:通常の状態において爆発性雰囲気を生成するおそれが少ない場所
危険場所の分類を決定する要素として、以下の3項目が用いられます。
- 放出源の等級
- 換気度
- 換気の有効度
| 放出源の等級 | 概要 | 例 |
| 連続等級放出源 | 可燃性物質を連続的に放出するか、高頻度放出をすることが予想される放出源 | 常設の大気開放ベントを持つ固定屋根式タンク内の可燃性液体の表面 |
| 第一等級放出源 | 通常の状態で可燃性物質を定期的にまたはときどき放出することが予想される放出源 | ポンプ等のシール部で、運転中に可燃性物質を大気中に放出することが予測できる部分 |
| 第二等級放出源 | 通常の状態で可燃性物質を放出することが予測されず、放出しても低頻度しか放出しない放出源 | サンプル抽出部で、通常運転中には可燃性物質を大気中に放出すると予測できない部分 |
| 換気度の等級 | 概要 |
| 高換気度 | ガスまたは蒸気の放出源において、濃度を瞬時に低下させ、爆発下限界未満に抑えることができる換気能力 |
| 中換気度 | ガスまたは蒸気の放出が継続する場合であっても、濃度の上昇を抑制し低減することができる換気能力 |
| 低換気度 | カスまたは蒸気の放出が継続する場合、その濃度上昇を抑制または低減することができない換気能力 |
| 換気の有効度 | 概要 |
| 良 | 連続した換気が行われている場合 |
| 可 | 通常運転中に換気が行われているが、低濃度で短時間の換気停止は許容されている場合 |
| 弱 | 良および可のいずれでもないが、長時間にわたる換気停止はない場合 |
上記の各等級の組み合わせで危険箇所の等級が決定されます。
| 放出等級 | 換気 | ||||||
| 高換気度 | 中換気度 | 低換気度 | |||||
| 有効度「良」 | 有効度「可」 | 有効度「弱」 | 有効度「良」 | 有効度「可」 | 有効度「弱」 | 有効度「良」「弱」「可」 | |
| 連続等級 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 |
| 第一等級 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所条件によっては特別危険箇所 |
| 第二等級 | 非危険場所 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所条件によっては特別危険箇所 |
危険箇所に応じた防爆構造選定の原則
危険箇所の等級に応じた防爆構造を選定します。

各防爆構造の仕組みは次の通りです。

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