【まずはここから！！】一級建築士になるまでの心構えとロードマップ

2024年7月8日2024年8月17日

一級建築士は、日本国内で最高峰の建築系資格であり、公共施設や高層ビル、大規模な住宅開発などの設計・監理を行う専門家です。その取得には厳しい試験と実務経験が求められますが、その分得られるメリットも大きく、キャリアアップの機会や高収入、独立開業の可能性が広がります。一級建築士の平均年収は約600万円から800万円で、スキルや経験次第ではさらに高収入も期待できます。また、この資格は社会的な信頼も高く、専門性が認められることで業界内外での評価も上がります。

この記事では、一級建築士になるためのステップを詳細に解説します。試験は非常に厳しく、特に設計製図試験では実際の建築物の設計スキルが求められます。試験合格後に一定の実務経験を積み、晴れて一級建築士として登録されます。

この記事を読むことで、一級建築士の資格取得のプロセスとそのメリット、さらに試験対策の具体的な方法について詳しく理解できます。一級建築士を目指す方々にとってのファーストステップとして、一級建築士試験の全体像を掴むことができる内容となっています。

一級建築士は国内最高峰の建築系資格！！

一級建築士は、国内で最高レベルの建築系資格であり、建築物の設計や監理を行うための国家資格を持つ専門家です。公共施設、高層ビル、大規模な住宅開発など、幅広い建築物の設計や監理を担当でき、建築業界で非常に重要な役割を果たします。法規制や安全基準に基づいた設計を行い、建築プロジェクトの全体を統括する責任を持ちます。

建築士には以下の3種類があり、そのうち一級建築士が最上位の資格となっています。

「一級建築士」：最大級の建築プロジェクトに携わることができ、幅広い業務を行うことができます。

「二級建築士」：中小規模の建築物の設計・監理を行うことができます。

「木造建築士」：木造建築物の設計・監理に特化した資格です。

建築士としてのキャリアパスと年収

建築士としてのキャリアパスは多様であり、設計事務所や建設会社での勤務、独立して設計事務所を開業するなどの選択肢があります。一級建築士の平均年収は約600万円～800万円ですが、経験やスキル、勤務先によって異なります。

一級建築士になるメリット

一級建築士の資格を持つことで、以下のようなメリットがあります：

<キャリアアップ>：大規模なプロジェクトに関与でき、管理職やプロジェクトリーダーとしてのポジションを得やすくなります。

<高収入>：資格を持つことで年収が上がります。平均年収は600万円～800万円程度ですが、経験やスキルによってさらに高い収入を得ることも可能です。

<独立開業>：自分の設計事務所を開業し、独立して仕事をすることが可能です。

<社会的信頼>：資格を持つことで専門性が認められ、クライアントや業界内での信頼が向上します。

一級建築士になるための基本ステップ

大学や専門学校に通わないと受験資格はないの？

一級建築士試験の受験資格を得るためには、以下いずれかの条件を満たす必要があります。

<学歴要件>：建築系の大学や専門学校で指定科目を修了する。

<実務経験要件>：学歴要件を満たさない場合でも、一定の実務経験を積むことで受験資格を得ることができます。

一級建築士になるための基本的な流れ

1. 大学や専門学校で指定科目を修了する：

– 建築計画、建築構造、建築法規、環境工学などの指定科目を履修し、所定の単位を取得します。

<建築計画>：建築物の設計、計画、機能配置などについて学びます。

<建築構造>：建築物の構造設計や耐震性、材料力学などについて学びます。

<建築法規>：建築基準法や関連法規について学び、安全かつ合法的な設計を行うための知識を身につけます。

<環境工学>：建築物の環境性能、エネルギー効率、快適性などについて学びます。

2. 一級建築士試験に合格する：

– 学科試験と設計製図試験の2つの試験に合格します。

【学科試験】：

5科目（計画、環境設備、法規、構造、施工）から出題されます。

– 各科目で一定以上の得点を取得する必要があります。

【設計製図試験】：

– 実際に設計図を作成する試験で、課題に対して適切な設計を行う能力が求められます。

– 設計の精度や完成度が評価されます。

3. 必要な実務経験を積む：

– 試験合格後、所定の実務経験を積みます（学歴によって必要な年数が異なります）。

– 大学卒業の場合：2年の実務経験

– 短期大学（3年制）卒業の場合：3年の実務経験

– 短期大学（2年制）卒業の場合：4年の実務経験

4. 登録して一級建築士として働く：

– 実務経験を積んだ後、正式に一級建築士として登録し、業務を行います。

一級建築士試験の内容と合格基準について

一級建築士試験は、学科試験と設計製図試験の2つのセクションに分かれています。それぞれの試験内容と合格基準について詳しく解説します。

試験内容

学科試験と設計製図試験の内容

【学科試験】

<試験科目>：計画、環境設備、法規、構造、施工の5科目から出題されます。

出題内容：

計画：建築物の設計・企画に関する内容が出題されます。建築物の用途や機能、デザイン、都市計画、建築物の配置などに関する問題が含まれます。
環境設備：建築物の環境性能や設備設計に関する内容が出題されます。断熱性能、空調設備、給排水設備、照明設備、音響性能などの知識が問われます。
法規：建築基準法や都市計画法、消防法などの法規に関する内容が出題されます。建築物が法的に適合しているかを判断するための知識が求められます。
構造：建築物の構造設計に関する内容が出題されます。耐震設計、構造力学、材料の特性、構造形式（鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造など）についての知識が必要です。
施工：建築物の施工に関する内容が出題されます。施工方法、施工管理、安全管理、品質管理、コスト管理などの知識が問われます。

得点基準：各科目で一定以上の得点を取得する必要があります。得点基準は年度によって異なりますが、一般的には各科目で60%以上の得点が必要です。

試験時間：各科目1〜2時間程度で、休憩を挟んで朝から夕方までの長時間に及ぶ試験です。

【設計製図試験】

試験内容：実際に設計図を作成する試験です。与えられた課題に対して適切な設計を行う能力が求められます。課題は実際の建築物の設計に近いもので、実務に即したスキルが試されます。
評価基準：設計の精度や完成度が評価されます。建築法規に適合した設計、構造的な安全性、機能性、美観などが総合的に評価されます。
試験時間：試験時間は6時間半もの長時間にわたりますが、ゼロから建物を設計するため時間的余裕はなく、集中力と持久力が必要です。

試験日程と合格基準

【試験スケジュール】

一級建築士試験は毎年1回実施されます。

学科試験：7月頃に実施されます。試験日は全国一斉に行われ、具体的な日程はホームページで発表されます。

設計製図試験：10月頃に実施されます。学科試験に合格した受験者のみが受験可能です。

【合格基準と合格率】

学科試験：

得点基準：各科目で一定以上の得点を取得する必要があります。合格基準は年度によって変動することがありますが、一般的には各科目で60%以上の得点が求められます。

合格率：学科試験の合格率は毎年異なりますが、例年30～40%程度です。

設計製図試験：

評価基準：設計の精度や完成度が評価されます。設計の独自性、建築法規の遵守、機能性、安全性、美観などが総合的に評価されます。

合格率：設計製図試験の合格率は毎年異なりますが、一般的に10～20%程度です。

一級建築士試験は非常に難易度が高く、綿密な準備と実務経験が重要です。社会人としての多忙なスケジュールの中で効率的に学習し、実務経験を積むことが合格への鍵となります。

最短ルートで一級建築士になる方法

時間のある学生のうちに受験する

学生のうちに受験資格を満たし、早期に試験に挑戦することで、最短で一級建築士を目指すことができます。大学在学中に指定科目を修了し、卒業後すぐに実務経験を積むことが重要です。学業と実務経験をバランスよく進めることで、効率的に資格取得を目指せます。

試験対策講座の活用

試験対策講座を利用することで、効率的に試験対策を進めることができます。独学で合格される方もいますが、資格講座のサポートなしでは非常に難しいと考えた方が良いです。総合資格やスタディングなどの試験対策講座は、一級建築士試験の対策に特化しており、以下のようなサポートが受けられます：

過去問の徹底分析：過去の試験問題を分析し、出題傾向を把握することができます。

模擬試験の実施：実際の試験と同じ形式の模擬試験を受けることで、試験本番のシミュレーションができます。

個別指導：講師による個別指導が受けられ、苦手分野を克服するためのサポートが受けられます。

主な試験対策講座の比較を以下に示します。

試験対策講座	総合資格	日建学院	スタディング
価格	約50万円	約45万円	約10万円
学習形式	通学、通信、オンライン	通学、通信、オンライン	オンラインのみ
教材内容	教材一式（テキスト、問題集、過去問）	教材一式（テキスト、問題集、過去問）	テキスト、問題集、過去問
サポート体制	質問サポート、個別指導	質問サポート、個別指導	メールサポート、ウェブサポート
模擬試験	有り	有り	有り
最新の合格率	約70%	約65%	約50%
特徴	実績が豊富、細かい指導	豊富な教材、実績が高い	低価格、手軽に学べる
設計製図試験対策	有り	有り	有り
設計製図試験対策内容	通学での個別指導、演習課題提供	通学での個別指導、演習課題提供	オンライン（添削はなし）
公式サイト	総合資格	日建学院	スタディング

価格は目安であり、キャンペーンやコースの違いにより変動する場合があります。
学習形式は各講座によって異なるため、自身の学習スタイルに合わせて選択することをおすすめします。
教材内容やサポート体制については、各公式サイトで詳細を確認してください。
合格実績は各講座の公式発表を基にしていますが、実際の合格率は個人の努力や学習環境によって異なることがあります。

おすすめの資格学校についてはこちらの記事で詳しく解説しています。