1級管工事施工管理技士 過去問|令和7年第15問 空調の省エネ建築手法(外皮・窓)解説

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1級管工事施工管理技士 第一次検定の令和7年 第15問は、空調システムの省エネルギーに効果がある建築的手法に関する知識問題でした。建物形状・窓・外壁といった建築側の工夫について、4つの記述から「適当でないもの」を選ぶ形式です。

本記事では1級管工事施工管理技士を保持する現役設備エンジニアの視点から、結論→外皮(外壁・窓)と省エネの関係→選択肢検証→実務目線の流れで整理します。「熱の出入りを減らす」という原則を押さえれば、計算不要で取れる1点です。

省エネは設備だけでなく建築側の工夫も大きく効きます。外皮(がいひ)=建物の外側の熱の出入りを減らす、という視点を持つと一気に理解しやすくなりますよ。

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目次

令和7年 1級管工事 第15問はこんな問題(知識型)

📘 問題の要旨(要約)

空調システムの省エネルギーに効果がある建築的手法に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

選択肢は次の4つ。正解は①です。

番号記述の要旨正誤
長方形の建物で、短辺に比べ長辺をできるだけ大きくする✕ 誤り
窓ガラスは日射熱取得に係る遮へい係数の小さいものを使う◯ 正しい
外壁面積に対する窓面積の比率を小さくする◯ 正しい
外壁に赤外線の反射率が高い塗料を使用する◯ 正しい

問題本文は公式PDFで確認できます。

カギは「外皮面積を増やすと熱の出入りが増える」こと。細長い建物は外壁が増えるので省エネに不利。①の“長辺を大きく”は逆効果です。

結論:正解は①|細長い形は外皮が増えて省エネに不利

先に答えだけ知りたい方のために結論をまとめます。正解は①。長辺をできるだけ大きくして細長い建物にすると、外壁(外皮)の面積が増え、熱の出入りが大きくなるため、省エネに逆行します。省エネには正方形に近いコンパクトな形状が有利です。

  • ①の誤り:細長い形は外皮面積が増える=熱損失・熱取得が増える。同じ床面積なら正方形に近い方が省エネ
  • ②正しい:遮へい係数(SC)の小さいガラスは日射熱の侵入が少なく、冷房負荷を抑える
  • ③正しい:窓面積比率を小さくすると、断熱性能の低い窓からの熱の出入りが減る
  • ④正しい:赤外線の反射率が高い(遮熱)塗料は、外壁が受ける日射熱を反射し負荷を抑える

結論だけ確認したい方はここでOK。外皮と省エネの関係を整理したい方は、この続きをどうぞ。

外皮(外壁・窓)と省エネの関係を整理

  • 建物形状:床面積が同じなら、正方形に近いほど外皮面積が小さく省エネ。細長いほど不利
  • 窓の日射遮へい:遮へい係数(SC)が小さいほど日射熱の侵入が少ない。Low-E複層ガラス等が有効
  • 窓面積比率:窓は外壁より断熱性が低いため、比率を下げると熱負荷が減る
  • 外壁の遮熱:赤外線の反射率が高い塗料・色で外壁の蓄熱を抑える

いずれも狙いは「外皮を通る熱の出入りを減らす」こと。①だけが、外皮面積を増やして熱の出入りを増やす方向なので、省エネに逆行する誤りです。

選択肢を1つずつ検証|なぜ①が誤りか

① 長辺をできるだけ大きく → ✕ 正解
細長くすると外皮面積が増え、熱の出入りが増える。省エネに逆行する誤りです。

② 遮へい係数の小さいガラス → ◯
日射熱の侵入を抑え冷房負荷を減らします。正しい記述です。

③ 窓面積比率を小さく → ◯
断熱性の低い窓からの熱の出入りを減らせます。正しい記述です。

④ 赤外線の反射率が高い塗料 → ◯
外壁の日射吸収を抑え、熱負荷を低減します。正しい記述です。

試験=外皮の考え方、実務=省エネ計算(外皮性能)で使う

① 外皮性能(UA値・ηAC値)の評価

実務の省エネ計算では、外皮平均熱貫流率(UA値)や日射熱取得率(ηAC値)で建物の外皮性能を評価します。試験で学ぶ「外皮の熱の出入りを減らす」考え方が、そのまま省エネ基準の計算に直結します。

② 建築と設備の連携で負荷を下げる

空調機を高効率にする前に、建築側で負荷そのものを減らすのが省エネの王道です。断熱・日射遮へい・窓の計画と、設備容量の縮小はセットで考えます。

③ 庇・ルーバーによる日射制御

南面の庇や外付けルーバーは、夏の高い日射を遮りつつ冬の低い日射を取り込めます。窓の遮へい係数とあわせて、季節に応じた日射制御を計画するのが実務の腕の見せどころです。

「設備の前に建築で負荷を減らす」は省エネ設計の基本姿勢。試験の知識が、そのまま設計提案の引き出しになりますよ。

まとめ|「コンパクトな形が省エネ」を覚えるだけ

  • 正解は①|長辺を大きくして細長くすると外皮面積が増え、省エネに不利。コンパクトな形が有利
  • ②遮へい係数の小さいガラス、③窓面積比率を小さく、④遮熱塗料…はすべて正しい
  • 狙いは一貫して外皮を通る熱の出入りを減らすこと

省エネは外皮の理解が出発点。建築的手法を押さえておけば、省エネ計算や設計提案の場面でも自信が持てますよ。

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この記事を書いた人

現役20年の設備エンジニア。
「転⁠職⁠し⁠た⁠け⁠ど⁠残⁠っ⁠た」立場から発⁠信。

20〜30代の建設業エンジニアに、
「市⁠場⁠価⁠値⁠で⁠決⁠め⁠る⁠キ⁠ャ⁠リ⁠ア」を伝⁠授。

転職エージェント登録経験から、
「現⁠職⁠を⁠活⁠か⁠す⁠働⁠き⁠方」を発⁠信⁠中。

【保有資格】
・設⁠備⁠設⁠計⁠一⁠級⁠建⁠築⁠士
・建⁠築⁠設⁠備⁠士
・一⁠級⁠管⁠工⁠事⁠施⁠工⁠管⁠理⁠技⁠士
・一⁠級⁠電⁠気⁠工⁠事⁠施⁠工⁠管⁠理⁠技⁠士 ほか

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