1級管工事施工管理技士 第一次検定の令和7年 第10問は、音に関する知識問題でした。音速・マスキング効果・ラウドネス・回折といった音の基本性質について、4つの記述から「適当でないもの」を選ぶ形式です。
本記事では1級管工事施工管理技士を保持する現役設備エンジニアの視点から、結論→音速と温度の関係→各用語の整理→選択肢検証→実務目線の流れで整理します。音の性質を正しく押さえれば、計算不要で取れる1点です。

音の問題は、空調騒音やダクトの消音設計につながる実務直結テーマ。用語の意味を1つずつ理解しておくと、騒音対策の場面でそのまま役立ちますよ。
令和7年 1級管工事 第10問はこんな問題(知識型)
音に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
選択肢は次の4つ。正解は①です。
| 番号 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| ① | 空気中を伝わる音速は、空気の温度が低いほど速くなる | ✕ 誤り |
| ② | マスキング効果は、マスクする音の周波数が近いほど大きい | ◯ 正しい |
| ③ | 音の大きさは、同じ大きさに聞こえる1,000Hz純音の音圧レベルで表す | ◯ 正しい |
| ④ | 回折は、障害物の背後に音が回り込んで伝わる現象 | ◯ 正しい |
問題本文は公式PDFで確認できます。



音速は「温度が高いほど速い」が正解。夏のほうが音が速い、と覚えると①の誤りに一発で気づけます。
結論:正解は①|音速は「温度が高いほど」速い
先に答えだけ知りたい方のために結論をまとめます。正解は①。空気中の音速は、空気の温度が高いほど速くなります。「温度が低いほど速くなる」という記述は逆で、これが誤りです。
- ①の誤り:音速 ≒ 331.5 + 0.6 × t(℃)[m/s]。温度tが上がるほど音速は速くなる
- ②正しい:マスキング効果は、妨害音と対象音の周波数が近いほど大きい
- ③正しい:音の大きさ(ラウドネスレベル・フォン)は、同じ大きさに聞こえる1,000Hz純音の音圧レベルで表す
- ④正しい:回折は、障害物の背後に音が回り込む現象
常温(15℃)で音速は約340m/sです。気温が上がると空気分子の運動が活発になり、音はより速く伝わります。「低いほど速い」は物理的に逆なので①が誤りです。



結論だけ確認したい方はここでOK。各用語の意味を整理したい方は、この続きをどうぞ。
音の4つの性質を整理|音速・マスキング・ラウドネス・回折
- 音速:約 331.5 + 0.6t [m/s]。温度が高いほど速い(15℃で約340m/s)
- マスキング効果:ある音が別の音で聞こえにくくなる現象。周波数が近いほど効果大
- ラウドネスレベル(フォン):音の大きさの感覚量。1,000Hz純音の音圧レベルを基準に表す
- 回折:障害物の裏側に音が回り込む現象。低周波(波長が長い)ほど回折しやすい
とくに回折は低い音ほど起こりやすい点が重要です。塀の向こうの騒音で低音(車のエンジン音など)がよく聞こえるのはこのためです。
選択肢を1つずつ検証|なぜ①が誤りか
① 音速は温度が低いほど速い → ✕ 正解
逆です。温度が高いほど音速は速くなります。これが唯一の誤り。
② マスキングは周波数が近いほど大きい → ◯
妨害音と対象音の周波数が近いほど聞こえにくくなります。正しい記述です。
③ 音の大きさは1,000Hz純音基準 → ◯
ラウドネスレベル(フォン)の定義そのもの。正しい記述です。
④ 回折は障害物の背後に回り込む → ◯
回折現象の説明として正しい記述です。
試験=音の性質の理解、実務=空調騒音・消音設計で使う
① 空調騒音とNC値・dB(A)
実務では、室の用途ごとに許容騒音レベル(NC値・dB(A))を定め、空調機やダクトの騒音がそれを超えないよう設計します。音の大きさ(ラウドネス)の考え方は、騒音評価の基礎になります。
② ダクトの消音と回折対策
ダクト系では、消音器(サイレンサ)や内貼り吸音材で騒音を低減します。低周波音は回折しやすく減衰しにくいため、消音設計では低音域への対策が重要になります。試験で学ぶ回折の性質が、そのまま消音計画に効いてきます。
③ 機器の防振とマスキングの活用
ポンプや送風機の振動が固体伝搬音にならないよう防振架台で絶縁します。一方、オフィスでは適度な空調音が会話を聞こえにくくする(マスキング)こともあり、サウンドマスキングとして活用される場面もあります。



音は目に見えない分やっかいですが、性質を理解しておけば騒音クレームの原因究明や対策設計で大きな武器になりますよ。
まとめ|「音速は温度が高いほど速い」を覚えるだけ
- 正解は①|音速は温度が高いほど速い(約331.5+0.6t)。「低いほど速い」は逆で誤り
- ②マスキング(周波数が近いほど大)、③ラウドネス(1,000Hz基準)、④回折はすべて正しい
- 回折は低い音ほど起こりやすいことも押さえる



音の基本性質は、騒音・振動対策の土台。1つずつ意味を理解しておけば、関連する出題もまとめて取れますよ。
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