危険物入門~①危険物規制の仕組みについて~

危険物

何かとわかりにくい危険物規制。

危険物に携わることになった人が効率的にポイントをつかめるよう、今回から複数回に分け、ステップを踏んで解説していきます。

大きく以下の内容でお伝えしていきます。

  • 危険物規制の仕組みについて ←今回
  • 危険物貯蔵・取扱いについての計算方法
  • 危険物施設(製造所、貯蔵所、取扱所)の位置・構造・設備の基準
  • 危険物施設の消火設備
  • 危険物施設の警報設備・避難設備

吐きそう・・・・

一つずつ確認していきましょう

目次

法体系

危険物は消防法によって規制されています。

消防法は大きく2つに分けて考えることができます。

危険物を取り扱う第3章の部分と通常の建物「一般防火対象物」を規制する部分です。

消防法
(第3章以外の部分)
一般防火対象物
(第3章の部分)
危険物関係
消防法施行令危険物の規制に関する政令
消防法施行規則危険物の規制に関する規則
関係告示関係告示

この他各自治体ごとに火災予防条例を定めています

危険物規制の仕組み

危険物は種類ごとに性状を測定する試験によってランク付けされ、そのランクごとに指定数量がさだめられています。

指定数量以上の危険物の貯蔵・取扱いを行う場合には危険物施設として消防法による規制を受けます。

指定数量未満の場合には少量危険物施設として市町村条例(火災予防条例)による規制となります。

危険物施設の規制は厳しいので、危険物を分散配置して少量危険物となるよう調整することもあります

危険物の種類

何が危険物に該当するかは消防法 別表第1に定められています。

この別表第1に該当する物品で、同表に記載されている性状を有するものを危険物と定義しています。

従って性質欄に掲げる性状を有していないものは、品名欄に該当する物品であっても危険物には該当しません。

また危険物はすべて固体または液体であり、気体は含みません

この場合の液体とは1気圧、温度20℃において液状であるものをいいます。

例えば水素やプロパンガスは1気圧・20℃で気体なので危険物には該当しません。

別表第一(第二条、第十条、第十一条の四関係)

類別性質品名
第一類酸化性固体一 塩素酸塩類
二 過塩素酸塩類
三 無機過酸化物
四 亜塩素酸塩類
五 臭素酸塩類
六 硝酸塩類
七 よう素酸塩類
八 過マンガン酸塩類
九 重クロム酸塩類
十 その他のもので政令で定めるもの
十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第二類可燃性固体一 硫化りん
二 赤りん
三 硫黄
四 鉄粉
五 金属粉
六 マグネシウム
七 その他のもので政令で定めるもの
八 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
九 引火性固体
第三類自然発火性物質及び禁水性物質一 カリウム
二 ナトリウム
三 アルキルアルミニウム
四 アルキルリチウム
五 黄りん
六 アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く。)及びアルカリ土類金属
七 有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く。)
八 金属の水素化物
九 金属のりん化物
十 カルシウム又はアルミニウムの炭化物
十一 その他のもので政令で定めるもの
十二 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第四類引火性液体一 特殊引火物
二 第一石油類
三 アルコール類
四 第二石油類
五 第三石油類
六 第四石油類
七 動植物油類
第五類自己反応性物質一 有機過酸化物
二 硝酸エステル類
三 ニトロ化合物
四 ニトロソ化合物
五 アゾ化合物
六 ジアゾ化合物
七 ヒドラジンの誘導体
八 ヒドロキシルアミン
九 ヒドロキシルアミン塩類
十 その他のもので政令で定めるもの
十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第六類酸化性液体一 過塩素酸
二 過酸化水素
三 硝酸
四 その他のもので政令で定めるもの
五 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの

まとめ

今回は危険物入門の第1回目として、危険物の法規制、危険物の定義と種類について触れてきました。

指定数量の考え方や倍数の計算方法、危険物の類ごとの具体的説明は次回以降に行いますので今回取り上げた基本的な考え方を押さえておくと理解が進むかと思います。

また、危険物に関するおすすめ書籍もこちらの記事で紹介していますので、あわせて参考にしてください。

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何かとわかりにくい危険物ですが、1つずつ理解を積み重ねていきましょう。

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この記事を書いた人

設備設計歴15年以上。
サラリーマンエンジニアとして日々奮闘中。
ニッチな設備業界を盛り上げるべく、情報を発信していきます。

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