1級管工事施工管理技士 第一次検定の令和7年 第17問は、湿り空気線図から空気調和機のコイルの加熱負荷量を求める計算問題でした。冬期暖房時の線図と送風量・空気密度が与えられ、加熱コイルの負荷を4択から選ぶ形式です。
本記事では1級管工事施工管理技士を保持する現役設備エンジニアの視点から、結論→負荷=質量流量×比エンタルピー差の3ステップ→誤答パターン→実務目線の流れで整理します。使う式は「Q=m×Δh」だけです。

加熱・冷却負荷は、空調機の能力選定の基本中の基本。送風量から質量流量を出し、線図のエンタルピー差を掛ける、という流れを身につけましょう。


この記事を書いた人
設備エンジニア
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令和7年 1級管工事 第17問はこんな問題(負荷計算型)
下図の冬期暖房時の湿り空気線図において、空気調和機のコイルの加熱負荷量として適当なものはどれか。ただし、送風量は6,000 m³/h、空気の密度は1.2 kg/m³とする。
選択肢は次の4つ。正解は②(25,200 W)です。
- ① 18,800 W
- ② 25,200 W ← 正解
- ③ 36,800 W
- ④ 65,200 W
問題本文・線図は公式PDFで確認できます。



負荷計算は「質量流量 × エンタルピー差」。送風量(体積)に密度を掛けて質量流量にするのが最初の関門です。
結論:正解は②|Q=m×Δh で 25,200 W
先に答えだけ知りたい方のために結論をまとめます。正解は②。質量流量に、線図から読み取った比エンタルピー差を掛けると、加熱負荷は約25,200Wと求まります。
質量流量 m = 6,000 m³/h × 1.2 kg/m³ = 7,200 kg/h = 2.0 kg/s
加熱負荷 Q = m × Δh = 2.0 kg/s × 12.6 kJ/kg = 25.2 kW = 25,200 W
(Δh は加熱コイル前後の比エンタルピー差。加熱は絶対湿度一定の水平移動)
加熱コイルは絶対湿度を変えずに温度だけを上げる(顕熱加熱)処理なので、線図上は水平に右へ移動します。その前後の比エンタルピー差Δhを読み取り、質量流量を掛けるだけです。



結論だけ確認したい方はここでOK。3ステップの解き方を追いたい方は、この続きをどうぞ。
3ステップで解く|質量流量とエンタルピー差
ステップ①|送風量を質量流量に直す
送風量は体積流量(m³/h)なので、空気の密度を掛けて質量流量にします。
m = 6,000 × 1.2 = 7,200 kg/h = 2.0 kg/s
ステップ②|線図でエンタルピー差を読む
加熱コイルの入口と出口の状態点を線図で確認し、比エンタルピーの差Δhを読み取ります。加熱は絶対湿度一定の水平移動で、ここではΔh ≒ 12.6 kJ/kgです。
ステップ③|Q=m×Δh を計算
Q = 2.0 kg/s × 12.6 kJ/kg = 25.2 kW = 25,200 W。これが正解の②です。単位はkJ/sがkWになることに注意しましょう。
誤答パターン|他の選択肢はなぜ違うか
| 選択肢 | ありがちなミス |
|---|---|
| ① 18,800 W | エンタルピー差の読み取り誤り |
| ② 25,200 W | 質量流量×エンタルピー差で正しく計算 |
| ③ 36,800 W | 状態点の取り違え(潜熱まで含めて読んだ等) |
| ④ 65,200 W | 密度の掛け方や単位換算のミスで過大評価 |
計算問題は単位の扱いでつまずきがち。体積流量に密度を掛けて質量流量にする、kJ/sをkWに直す、という2点を押さえれば②にたどり着けます。
試験=Q=m×Δh、実務=空調機の能力選定で毎回使う
① コイル能力の選定
空調機の加熱・冷却コイルは、必要な負荷(Q=m×Δh)に余裕を見て能力を選定します。試験で学ぶ負荷計算が、そのまま機器選定の根拠になります。
② 顕熱・潜熱の分けて考える
実務では、加熱(顕熱)と加湿(潜熱)を分けて負荷を積み上げます。線図上で「水平移動=顕熱」「垂直移動=潜熱」と理解しておくと、負荷の内訳を正しく把握できます。
③ 送風量と負荷のバランス
同じ負荷でも、送風量を増やせばエンタルピー差は小さく、減らせば大きくなります。送風量と温度差のバランスは、ダクトサイズや搬送動力にも影響する設計判断です。



「Q=m×Δh」は冷却負荷でも全く同じ。1つの式で加熱も冷却も解けるので、確実にマスターしておきましょう。
まとめ|「質量流量×エンタルピー差」を覚えるだけ
- 正解は②(25,200 W)|m=6,000×1.2=7,200kg/h=2.0kg/s、Q=2.0×12.6=25.2kW
- 体積流量に密度を掛けて質量流量にするのが第一歩
- 加熱は絶対湿度一定の水平移動(顕熱)。線図でΔhを読む



負荷計算は線図の読み取りとセットで頻出。質量流量とエンタルピー差さえ押さえれば、得点源にできますよ。
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