1級管工事施工管理技士 第一次検定の令和7年 第16問は、空気調和設備方式に関する知識問題でした。変風量(VAV)・定風量(CAV)・天井放射・ファンコイル併用といった各方式の特徴について、4つの記述から「適当でないもの」を選ぶ形式です。
本記事では1級管工事施工管理技士を保持する現役設備エンジニアの視点から、結論→放射方式は顕熱処理が原則→各空調方式の特徴→選択肢検証→実務目線の流れで整理します。「放射=顕熱、潜熱は別処理」を押さえれば、計算不要で取れる1点です。

空調方式は二次検定でも問われる頻出テーマ。各方式の「得意・不得意」をセットで覚えると、設計選定の場面でもそのまま役立ちますよ。


この記事を書いた人
設備エンジニア
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令和7年 1級管工事 第16問はこんな問題(知識型)
空気調和設備方式に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
選択肢は次の4つ。正解は②です。
| 番号 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| ① | 変風量単一ダクト方式は、定風量方式に比べ空気の搬送動力を低減できる | ◯ 正しい |
| ② | 天井放射冷房方式は、効率的に潜熱負荷を処理できる | ✕ 誤り |
| ③ | 変風量方式は、必要外気量確保のため負荷変動の大きい室で最小風量を設定する | ◯ 正しい |
| ④ | ファンコイル・ダクト併用方式は、全空気方式に比べダクトスペースが小さい | ◯ 正しい |
問題本文は公式PDFで確認できます。



カギは「放射(輻射)は温度を変える=顕熱が得意」ということ。湿度(潜熱)は放射では下げられず、別の手段(外調機や除湿)が必要です。
結論:正解は②|天井放射は「顕熱」処理が原則
先に答えだけ知りたい方のために結論をまとめます。正解は②。天井放射冷房は、放射で室温(顕熱)を扱う方式であり、湿度(潜熱)の処理は苦手です。「効率的に潜熱負荷を処理できる」は誤りです。
- ②の誤り:放射方式は顕熱(温度)処理が中心。潜熱(除湿)は処理できず、別途、外気処理空調機などで対応する。むしろ冷房時は放射面の結露に注意が必要
- ①正しい:VAVは負荷に応じて風量を絞れるため搬送動力を低減できる
- ③正しい:VAVでも必要外気量を確保するため、最小風量を設定する
- ④正しい:ファンコイル併用は、空気搬送量が減るためダクトスペースが小さくなる



結論だけ確認したい方はここでOK。各空調方式の特徴を整理したい方は、この続きをどうぞ。
各空調方式の特徴を整理|VAV・放射・ファンコイル併用
- 変風量(VAV)方式:負荷に応じ風量を変える。搬送動力を低減できるが、最小風量で必要外気を確保
- 定風量(CAV)方式:風量一定で温度を調整。制御は単純だが省エネ性は劣る
- 天井放射冷房:放射で顕熱を処理。快適性が高いが潜熱(除湿)は別系統が必要、結露注意
- ファンコイル・ダクト併用:FCUで室負荷、ダクトで外気を担当。ダクトスペースが小さい
ポイントは顕熱(温度)と潜熱(湿度)の役割分担。放射方式は顕熱担当で、潜熱は外気処理空調機などが受け持ちます。②はこの役割を取り違えた誤りです。
選択肢を1つずつ検証|なぜ②が誤りか
① VAVは搬送動力を低減 → ◯
風量を絞れるためファン動力を減らせます。正しい記述です。
② 天井放射は潜熱を処理できる → ✕ 正解
放射は顕熱処理が中心。潜熱(除湿)は処理できず、これが誤りです。
③ VAVは最小風量を設定 → ◯
必要外気量を確保するための運用で、正しい記述です。
④ FCU併用はダクトスペース小 → ◯
空気搬送量が減るためダクトが小さくなります。正しい記述です。
試験=顕熱と潜熱の分担、実務=空調方式の選定で使う
① 放射空調+外調機(潜熱分離空調)
実務では、天井放射パネルで顕熱を、外気処理空調機(外調機)で潜熱(除湿)を分担する「潜熱分離空調」が用いられます。試験で学ぶ顕熱・潜熱の役割分担が、そのままシステム構成の根拠になります。
② 放射冷房の結露対策
放射冷房では、パネル表面温度を露点温度より下げると結露します。除湿を別系統で確実に行い、室内露点を管理することが結露防止の要です。潜熱処理が必須である理由がここにあります。
③ 用途に応じた方式選定
省エネ重視ならVAV、快適性重視なら放射、ダクトスペースが取れないならFCU併用、と用途に応じて選びます。各方式の得意・不得意を理解しておくと、最適な提案ができます。



「放射は顕熱、潜熱は別」という役割分担は、放射空調を設計するうえでの大前提。試験知識が実務のシステム選定にそのまま生きますよ。
まとめ|「放射=顕熱、潜熱は別処理」を覚えるだけ
- 正解は②|天井放射は顕熱処理が原則。潜熱(除湿)は処理できず、別系統が必要
- ①VAVの搬送動力低減、③最小風量設定、④FCU併用のダクト縮小…はすべて正しい
- 空調方式は顕熱・潜熱の分担で整理すると迷わない



空調方式は出題の常連。各方式の特徴を表で押さえておけば、関連問題もまとめて取れますよ。
解説を読んでも手応えを感じられないときは
ここまで解説を読んで、次のように感じていませんか?
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