この記事は大林組への就職・転職を検討している人向けの記事です。
建設業界で15年以上働いている著者が、口コミや就職情報誌、決算資料等から情報を収集・分析し、わかりやすくまとめています。
会社は人生の多くの時間を占めるだけに、就職・転職には慎重さが求められます。
「本当に就職・転職しても大丈夫なのか?」
「ブラック企業じゃないのか?」
不安が少しでも軽くなるように分かりやすさを重視しました。
- 決算資料をわかりやすくグラフ化、業績・財務状況が一目でわかるように
- 職場の雰囲気がわかるよう、公式動画、口コミを数多く掲載
具体的には次のことがわかります。
- 大林組の社風、福利厚生がわかる
- どのような職種、仕事内容なのかを把握することができる
- 就職、転職しても良い会社なのかの判断材料になる
- 他の同業他社との比較ができる
- 実際の面接の雰囲気や質問内容がわかる
会社選びは人生の大きな決断です。本記事を参考に、納得のいく選択をしてください。

転職にはエージェント選びも重要です。建設業界に精通したエージェントについてこちらの記事で解説しています。

「大林組 やばい」の真相
結論:大林組は“やばくない”
大林組が「やばい」と言われるのは、過去の激務体質や不祥事の印象が強く残っているためです。
しかし近年では、働き方改革・再発防止策・人材育成の3軸で確実に改善が進行中。
依然としてハードな現場もありますが、それを上回る年収・経験・やりがいの高さが、多くの社員のモチベーションにつながっています。
「やばい」「きつい」と言われる主な6つの理由
大林組が「やばい」と言われる背景には、以下の6つの要素が関係しています。
- 残業時間・働き方がやばいという噂
過去には現場担当者の残業が月80時間を超えることもあり、「激務」との印象が広がりました。
しかし近年は働き方改革が進み、2023年の平均残業時間は37.5時間と大幅に改善。直近5年間も30〜40時間の範囲で推移しています。 - 離職率が高いという噂
「すぐ辞める人が多い」という声もありますが、実際の離職率は1〜2%程度と非常に低水準。
厚生労働省が公表する全産業平均(約15%)と比べても、安定した職場であることが分かります。 - 転職難易度・中途採用倍率が高いという噂
大林組はスーパーゼネコンの中でも人気が高く、採用倍率が高いため「入りづらい=やばい」と言われることも。
ただし現在はキャリア採用率が20%台に増加しており、中途採用にも積極的な姿勢を見せています。 - 安全衛生管理と労働災害の発生
2023年には八重洲の工事現場で鉄骨落下事故が発生し、作業員2名が死亡する痛ましい事故も。
このような重大事故を受けて、社内では施工ミス防止・労働災害削減のための教育と管理体制強化が進められています。 - 企業倫理と不祥事の影響
リニア中央新幹線の談合事件では、公正取引委員会から排除措置命令を受け、社長交代に発展。
その後、独占禁止法遵守プログラムを改訂し、「同業者との接触ルール厳格化」など再発防止策を強化しています。 - 人材不足と若手離職の課題
建設業界全体で若手技術者の確保が難しく、大林組も例外ではありません。
ただし、経験豊富な社員が多く在籍しており、教育制度やOJT体制の見直しによって育成強化が進んでいます。




“やばい”の裏にあるポジティブな実態
一方で、「やばい」という言葉の裏には、大林組ならではの高待遇ややりがいのある環境もあります。
- 年収水準は業界トップクラス
30代で年収1,000万円を超える社員もおり、スーパーゼネコンの中でも報酬水準は高め。
仕事量は多いものの、それに見合うリターンが得られる環境です。
大規模プロジェクトでキャリアアップが可能
超高層ビル、都市再開発、海外プロジェクトなど、他社では得がたい経験を積めるのも魅力。
「やばいほどスケールの大きい仕事ができる」という意味で、“良い意味でやばい”とも言えます。
大林組の社風・福利厚生・職種
大林組の社風は「人が良い」
口コミでは「面倒見が良い」「温厚、穏やかな人が多い」「尊敬できる人が多い」など、ポジティブな意見が多く見られ、会社として人を大切にしている雰囲気が感じ取られました。一方で、やさしい職場環境であるが故に、チャレンジングな環境を希望している人にとっては物足りないと感じてしまうようです。
大林組の福利厚生は手厚く、育児・女性支援が充実
大林組の福利厚生は非常に充実しています。「人を大切にする企業の実現」をスローガンに、多様な人材が活躍できる職場づくりを行う専門部署を設けるなど、従業員のエンゲージメント向上を目指した活動を積極的に行っている点が特徴的です。具体的には、育児や介護に伴う休暇制度やサポートが充実しているほか、従業員の健康課題に対応した福利厚生サービスを導入するなど、建設業界の中では先進的な制度が導入されています。
休暇制度
| 転勤時休暇 |
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| リフレッシュ休暇 |
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| 育児・介護休暇 |
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| 生理休暇 |
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| 看護休暇 |
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| 配偶者出産休暇 |
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| 産前・産後休暇 |
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育児支援
| 次世代育成補助金 |
|---|
| ベビーシッター費用補助 |
|---|
| フェムテック福利厚生 |
|---|
| 不妊治療補助金 |
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- フェムテック福利厚生
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ライフステージごとの健康課題に対応したサービスが利用できます。都合の良い時に、興味のある分野について学べ、普段相談しづらい悩みを匿名で相談できるコミュニティを提供しています。コミュニティでは専門家への相談も可能です。また、オンラインピル診療、更年期相談等の各種ヘルスケアサービスの従業員割引特典が利用できます。
フェムテック福利厚生
その他の制度
| 住宅融資制度 |
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| 持株会 |
|---|
| 共済会 |
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| 財形貯蓄 |
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| 社内預金 |
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| 資格取得支援 |
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| サテライトオフィス |
|---|
| シェアオフィス |
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大林組の職種と担当業務
- 建築(生産・開発・研究)
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「生産系」、「開発系」、「研究系」に分かれます。各業務内容は以下の通りです。
「生産系」:施工管理のほか生産支援など建物をかたちにする最前線を担います。
「開発系」:市街地再開発や不動産ソリューション、PPPなどの開発事業を担います。
「研究系」:構造技術、環境技術、施工技術など大林組の技術力を支える研究開発を行います。 - 建築(設計)
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顧客のニーズをくみ取り、設計図書にまとめ、かたちにして提供します。
- 情報
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業務プロセス改革、建設現場の生産性向上、従業員のワークスタイル変革、BIM/CIMの推進、建物情報システムの企画から運営までを担います。
- 土木
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道路、鉄道、空港、ダムなどの日々の生活に不可欠な社会基盤を提供します。現場勤務では海外を含めた全国各地において施工管理の仕事に従事します。常設では土木構造物の設計、技術開発、営業などを担います。
- 設備
-
建物の機能全般に関わる電気、給排水、空調などの設備の設計・見積・施工管理を担います。
- エンジニアリング
-
工場などの「生産施設分野」、施設に係る情報システムを構築する「情報分野」、再生可能エネルギー等を取り扱う「環境施設分野」、土壌・地下水汚染対策を行う「土壌環境分野」に別れ、「立てる+α」を実現します。
- 機電
-
建物をつくるための機械・電気設備について「施工計画」「施工管理」「運用管理」「技術開発」を行います。
- 事務
-
各技術部門を束ねプロジェクトをリードする「営業」、不動産の賃貸・運用に携わる「開発」、資機材の調達を行う「生産支援」、施工現場の労務管理・会計業務を行う「現場事務」のほか総務、人事、ICTといった幅広い業務があります。
大林組の基本情報
| 平均年収 |
|---|
| 1,066万円 |
| 残業(月) |
|---|
| 35.0時間 |
| 有給取得年平均 |
|---|
| 11.0日 |
| 離職率 |
|---|
| 1.4% |
出典:就職四季報2026-2027年版

2025年からは新卒の初任給がupし、現場インセンティブを含めると学部卒で最大35万円にもなります。
大林組の社長の年収は?
大林組社長の年収は、2024年有価証券報告書によると約1億5千万円となっています。
役員報酬は個別には記載されていませんが、平均で約5500万円と推測されます。
| 社名 | 株式会社大林組 |
| 本社 | 東京都港区港南2−15−2 品川インターシティB棟 |
| 創業 | 1892年 |
| 設立 | 1936年 |
| 資本金 | 577億円余 |
| 従業員数 | 9,253名(2024年3月時点) |
大林組はスーパーゼネコン5社の一角です。
「MAKE BEYOND つくるを拓く」キャッをチフレーズに、国内外で数多くのプロジェクトを手掛けており、東京スカイツリーやエスコンフィールド北海道などが有名です。
最近では佐藤健さんのTVCMをよく見かけて知っている、という人も多いのではないでしょうか。
大林組は「社員を大切にする」という方針が明確で、社員の人柄も良く福利厚生が充実しているのが特徴です。
他のスーパーゼネコンでは清水建設、大成建設、鹿島建設、竹中工務店が上げられます。
また、ゼネコン全般についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
大林組への転職は建設業に強い「建築転職」からエントリーできます。
大林組の会社業績
売上・営業利益率
売上高は増加傾向で好業績が続いています。2024年には2兆円を突破し、2025年にはそれを上回る売上が見込まれています。
一方、営業利益率は物価上昇の影響で直近は減少傾向、2022年には複数の大規模工事物件において工事損失引当金を計上したことで利益率が大きく低下しましたが、その後は持ち直しています。


財務状況
好業績に連動して資産も積み上がっています。自己資本比率は同業他社と同水準です。


営業CF(キャッシュフロー)
資金繰りを表す営業CFも直近は連続黒字となっており、資金繰りには問題ありません。


大林組の面接・選考
まとめ
大林組には、高い専門性と技術力を持つエンジニアが多く在籍しており、会社としても「社員を大切にする」姿勢が明確です。
そのため、技術者が安心してスキルを磨き、やりがいを感じながら働ける環境が整っています。
給与・福利厚生の水準は業界でもトップクラス。
現場技術者に対しても正当な評価が行われており、努力がしっかり報われる会社といえるでしょう。
近年は建設業界全体で労働時間規制が進み、人材確保が重要課題となっています。
その影響もあり、かつてよりも中途採用の門戸が広がりつつあるのが現状です。
職種によっては未経験から採用されるケースもあります。
大規模プロジェクトに関わりたい方、技術者としてさらなる成長を目指す方にとって、大林組は十分に挑戦する価値のある環境です。


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