1級管工事施工管理技士 第一次検定の令和7年 第9問は、室内の空気環境に関する知識問題でした。浮遊粉じん・一酸化炭素・VOC・二酸化炭素といった室内空気質の項目について、4つの記述から「適当でないもの」を選ぶ形式です。
本記事では1級管工事施工管理技士を保持する現役設備エンジニアの視点から、結論→各項目の正しい知識→選択肢検証→実務目線の流れで整理します。空気環境の基準値とキーワードを押さえれば、計算不要で取れる1点です。

室内空気環境は、建築物衛生法(ビル管法)の空気環境基準とセットで覚えると一気に得点源になります。換気計算の前提知識にもなる重要テーマですよ。
令和7年 1級管工事 第9問はこんな問題(知識型)
室内の空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
選択肢は次の4つ。正解は①です。
| 番号 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| ① | 直径10μm以下の浮遊粉じんは人体に影響を与えない | ✕ 誤り |
| ② | 物質の不完全燃焼は一酸化炭素が発生する原因となる | ◯ 正しい |
| ③ | ホルムアルデヒド・トルエン等のVOCはシックハウス症候群の要因 | ◯ 正しい |
| ④ | CO₂濃度1,000ppmでは人体に有害な影響を与えない | ◯ 正しい |
問題本文は公式PDFで確認できます。



「適当でないもの」を選ぶ問題は、正しい記述3つに惑わされないのがコツ。①の「影響を与えない」という言い切りに違和感を持てれば正解できます。
結論:正解は①|微小な粉じんほど人体への影響は大きい
先に答えだけ知りたい方のために結論をまとめます。正解は①。直径10μm以下の微小な浮遊粉じんは、肺の奥(肺胞)まで到達しやすく、人体への健康影響はむしろ大きいため、「影響を与えない」という記述は誤りです。
- ①の誤り:粒径が小さいほど気道の奥まで侵入する。10μm以下(とくにPM2.5など)は健康影響が問題視される
- ②正しい:不完全燃焼は一酸化炭素(CO)の発生原因。中毒のおそれがある
- ③正しい:ホルムアルデヒドやトルエン等のVOCはシックハウス症候群の主要因
- ④正しい:CO₂ 1,000ppmは建築物衛生法の管理基準値。直ちに有害というレベルではない



結論だけ確認したい方はここでOK。各項目の基準値や考え方を整理したい方は、この続きをどうぞ。
室内空気質の4項目を整理|粉じん・CO・VOC・CO₂
- 浮遊粉じん:粒径が小さいほど肺深部に到達。建築物衛生法では0.15mg/m³以下が基準
- 一酸化炭素(CO):不完全燃焼で発生。無色無臭で中毒の危険。基準は6ppm以下
- VOC(揮発性有機化合物):ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン等。シックハウス症候群の原因
- 二酸化炭素(CO₂):在室者の呼気で増加。換気の指標として用い、1,000ppm以下が基準
CO₂そのものは1,000ppm程度で直ちに有害ではありませんが、換気の良し悪しを示すバロメーターとして基準が定められています。粉じんやCOのように「濃度が上がると健康被害」という性質とは位置づけが異なる点に注意しましょう。
選択肢を1つずつ検証|なぜ①が誤りか
① 10μm以下の粉じんは影響を与えない → ✕ 正解
逆です。微小粒子ほど肺の奥まで到達し、健康影響が大きくなります。これが唯一の誤り。
② 不完全燃焼でCO発生 → ◯
燃焼に必要な酸素が不足するとCOが生じます。正しい記述です。
③ VOCはシックハウスの要因 → ◯
ホルムアルデヒド等のVOCは、建材・接着剤から放散しシックハウス症候群を引き起こします。正しい記述です。
④ CO₂ 1,000ppmは有害でない → ◯
建築物衛生法の管理基準値であり、換気の指標。直ちに有害なレベルではありません。正しい記述です。
試験=基準値の暗記、実務=換気設計と空気質管理で毎日使う
① 建築物衛生法の空気環境基準を押さえる
実務では、特定建築物の空気環境基準(CO₂ 1,000ppm以下、CO 6ppm以下、浮遊粉じん0.15mg/m³以下、ホルムアルデヒド0.08ppm以下、温度18〜28℃、相対湿度40〜70%、気流0.5m/s以下)を守るよう換気・空調を設計します。試験知識がそのまま設計条件になります。
② CO₂濃度を指標にした換気量の設計
必要換気量は、在室者の呼気CO₂を1,000ppm以下に保つことを基準に計算するのが基本です。CO₂を「換気のものさし」として使う考え方は、実務の換気設計でそのまま生きます。
③ シックハウス対策と24時間換気
VOC対策として、建築基準法でホルムアルデヒド放散建材の規制と24時間換気(住宅は0.5回/h)が義務化されています。試験で学ぶVOCの知識は、シックハウス対策の換気設計に直結します。



空気環境の基準値は、設計・維持管理の両方で毎日使う数字です。試験で覚えた値が、そのまま現場の合否ラインになりますよ。
まとめ|「微小粒子ほど影響大」を覚えるだけ
- 正解は①|10μm以下の微小な粉じんは肺深部に達し、影響はむしろ大きい
- ②CO(不完全燃焼)、③VOC(シックハウス)、④CO₂ 1,000ppm(換気指標)はすべて正しい
- 建築物衛生法の空気環境基準をセットで覚えると得点が安定する



空気環境は二次検定や実務でも問われる重要分野。基準値を数字で押さえておけば、関連問題もまとめて取れますよ。
次に読むべき関連記事
同じ令和7年の他の問題も、1問ずつ図解で解説しています。あわせてどうぞ。














コメント