- 一次試験に合格したが、2次の記述対策をどう進めたらいいかわからない
- 自分の回答が正解なのかわからない、誰かに添削して欲しいが、そんな人いない
- 二次試験は何度か挑戦しているが、記述がネックでどうしても合格できない
- 現場経験が浅いので、実際に合格できる文章が書けるか不安
一次試験を合格したあなたなら、管工事について、それなりに知識・経験を持っているはずです。
けれどもいざ文章を書く、となるとそもそも何を書いていいのかわからずに固まっていませんか?私も最初はそうでした。どこかに解答例ないか、ネットで探しましたがなかなかコレというものが見つからなかったです。
書いてはみたものの、正解なのかどうかもわからず、もやっとしたままで、不安になりますよね。一次試験であれば正解がはっきりしていましたが、二次試験は違います。
そこでこの記事では、最新の令和6・7年の二次試験の回答例を、1級管工事施工管理技士資格を持つ筆者が、実際の実務経験を踏まえて紹介します。回答例を読むことで、必要な知識が何で、どの順番で、どのように書けばよいのかといった傾向は掴めるはずです。
しかし、解答例を見て自分の経験に置きかえるだけでは危険です。なぜなら試験採点官は毎年何万という膨大な数の解答に目を通しており、どこかから借りてきた例文を模倣していることは一目で簡単に見抜いてしまいます。
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この記事を書いた人
設備エンジニア
建築設備の実務20年以上の現役エンジニア。試験のリアルと現場の実務、両方の視点で「受かる勉強法」を発信しています。
✅️1級管工事施工管理技士・1級電気工事施工管理技士
✅️建築設備士・消防設備士
✅️設備設計一級建築士・一級建築士
令和7年度|1級管工事施工管理技士の2次試験解答例

令和7年度は、問題1〜3が必須、問題4・5はどちらか1問を選択する形式です。令和7年度の試験問題は、こちらからダウンロードできます(PDF)。
問題1|施工の正誤・冷温水配管・排水管接合の解答例
設問1|施工に関する5つの正誤問題
| 番号・対象 | 解答 | 理由・正しい施工の考え方 |
|---|---|---|
| (1)ステンレス鋼管の曲げ加工 | × | 「直径の2倍以上」ではなく、管径の4倍以上。急な曲げによる管のつぶれや変形を抑えるため、大きな曲げ半径を確保する。 |
| (2)天井吊り用のあと施工アンカー | ○ | 天井吊り用途では、接着系あと施工アンカーを使用しない。吊ったものの重さで引張力が長期間かかるため、接着剤の耐久性やクリープ(力がかかり続けることで徐々に変形する現象)が問題になる。 |
| (3)設置階とアンカーボルトの引抜力 | ○ | 同じ機器・据付条件なら、局部震度法では上階ほど大きい設計用地震力を見込む。機器を転倒させようとする力も増すので、それを支えるアンカーボルトの引抜き力も大きくなる。 |
| (4)複式伸縮管継手の固定 | × | 複式は継手本体の中央部を固定する。中央を伸縮の起点にして、両側の配管の熱伸縮をそれぞれ吸収させる。「本体は固定しない」が誤り。 |
| (5)横走り配管の保温筒の合わせ目 | × | 記述が逆。垂直上下面を避け、配管の横側に合わせ目を置く。上側の合わせ目は水やほこりの侵入、下側は結露水の滴下につながりやすいため。 |
設問2|冷温水配管図の改善2点と配管方式
改善案①の解答例:
冷温水ポンプを吸収冷温水機の冷温水入口側に設け、冷温水を機器へ押し込む配置とする。
図では、ポンプが冷温水機の出口側にあります。入口側から押し込む配置にすることで、機器内の圧力が下がりすぎることを防ぎます。答案には「ポンプの位置を変える」だけでなく、冷温水機の入口側という変更先を書きます。
改善案②の解答例:
冷温水往き管をコイルの下部に、冷温水還り管を上部に接続する。
図では、往き管(CH)がコイルの上側、還り管(CHR)が下側につながっており、逆になっています。
下から水を入れて上から出すと、コイル内の空気を水と一緒に上へ排出しやすくなります。空気だまりによる通水不良や熱交換能力の低下を防ぐためです。
二次側配管の特徴の解答例:
リバースリターン方式で、各空気調和機を経由する往き管と返り管の合計長さをほぼそろえ、各経路の圧力損失の差を小さくしている。
熱源に近い空調機ほど往き管が短い一方、返り管は長くなる取り回しです。往復の配管長をそろえて流量を調整しやすくしています。
設問3|排水管の継手名称と接合上の特徴
名称の解答例:
排水鋼管用可とう継手(MDジョイント)
特徴・施工方法の解答例:
管端を所定の位置まで差し込み、ボルトを均等に締めてゴムパッキンを圧縮し、水密性を確保します。
ねじを切って接合する継手とは異なり、管を差し込んでパッキンを締め付ける構造です。片側だけを強く締めるとパッキンが均等に圧縮されないため、締め付けの偏りに注意します。
参考:https://haikanko.net/md-joint-construction-procedure-and-points
問題2|ネットワーク工程表の解答と計算手順
解答一覧
| 設問 | 解答 |
|---|---|
| 1:当初のクリティカルパス | ①→②⇢③⇢④→⑤⇢⑥→⑦→⑧→⑨ |
| 2:当初の所要日数 | 28日 |
| 3:条件変更後の工期の延長 | 4日 |
| 4:変更後の作業Gのトータルフロート | 3日 |
| 5:工期短縮時に、短縮が必要になる別経路の名称 | リミットパス |
表の「⇢」はダミーを表します。ダミーの日数は0日ですが、前後関係を示すので経路から省きません。
設問1・2|合流点では、到着が遅い経路を採用する
①を0日として、各イベントに到着する最も早い時点を求めます。たとえば③には、Bだけを通る5日の経路と、A・ダミーを通る7日の経路が入ります。両方の完了を待つため、③は7日です。
| イベント | 最早時刻の計算 | 結果 |
|---|---|---|
| ② | Aの7日です。 | 7日 |
| ③ | Bの5日と、②からの7日を比較します。 | 7日 |
| ④ | ③からダミーで進みます。 | 7日 |
| ⑤ | 7+Eの7日です。 | 14日 |
| ⑥ | D経由の7+6と、⑤からの14を比較します。 | 14日 |
| ⑦ | F経由の14+6と、G経由の14+4を比較します。 | 20日 |
| ⑧ | C経由の7+12と、H経由の20+3を比較します。 | 23日 |
| ⑨ | I経由の23+5と、J経由の20+6を比較します。 | 28日 |
工期を決める作業はA・E・F・H・Iで、合計は7+7+6+3+5=28日です。これらをつなぐダミーも含めると、解答一覧の経路になります。
設問3|5日目の時点から、AとBの完了日を求める
条件変更後は、Aの完了が当初の7日目から3日遅れて10日目になります。Bは5日目の終了時点で未着手なので、6日目から5日間かかり、こちらも10日目に完了します。
Cは12日から14日、Dは6日から8日に変更します。E以降を一律に3日ずつ遅らせるのではなく、DとEのどちらが合流点を遅らせるかを計算し直します。
| 合流点 | 変更後の比較 | 最早時刻 |
|---|---|---|
| ③ | Aの完了とBの完了は、どちらも10日目です。 | 10日 |
| ⑥ | D経由は10+8=18日、E経由は10+7=17日です。 | 18日 |
| ⑦ | F経由は18+6=24日、G経由は17+4=21日です。 | 24日 |
| ⑧ | C経由は10+14=24日、H経由は24+3=27日です。 | 27日 |
| ⑨ | I経由は27+5=32日、J経由は24+6=30日です。 | 32日 |
変更後の工期は32日なので、延長日数は32−28=4日です。Aの遅れ3日だけで答えると、Dの日数増加によってクリティカルパスが変わる点を見落とします。
設問4|Gを遅らせても工期が延びない限度を求める
変更後、Gは⑤の17日目から着手でき、4日間で⑦の21日目に到着します。一方、⑦ではFの完了する24日目まで待つ必要があります。
Gのトータルフロートは、⑦の最遅時刻24−⑤の最早時刻17−Gの4=3日です。この問題ではGを3日遅らせても、Fが決める⑦の時刻を超えません。
設問5|Iだけを短縮しても、別の経路が残る
変更後の32日から3日短縮する目標は29日です。Iを5日から2日にすると、⑧→⑨の経路は27+2=29日になりますが、Jを通る経路は24+6=30日のままです。
このように、目標工期より長く、短縮が必要になる経路をリミットパスと呼びます。この条件ではJを通る経路も1日短縮する必要があります。「一番長い経路の作業を短くすれば、いつでも同じ日数だけ全体が短くなる」と考えないことがポイントです。
問題3|安全管理の解答と根拠
設問1|墜落防止に関する空欄
| 空欄 | 解答 | 理由 |
|---|---|---|
| A | 2 | 高さ2m以上の作業箇所では必要な照度を確保し、墜落の危険がある端部・開口部では防護を行います。 |
| B | 防網 | 囲い等の設置が著しく困難な場合などの、墜落を防ぐ措置の一つです。 |
| C | 随時 | 墜落制止用器具とその取付け設備等の異常の有無を点検します。 |
設問2|就業資格と証明書に関する空欄
| 空欄 | 解答 | 理由 |
|---|---|---|
| D | 技能講習 | 免許と並んで、該当する業務に就く資格を定めた文脈です。 |
| E | 携帯 | その業務に就く際には、免許証など資格を証明する書面を携帯します。 |
問題4|空調設備の施工・試運転に関する解答例
空調設備の選択問題です。設備概要を踏まえ、指定された対象について一つずつ具体的に答えます。工程管理・安全管理に関する事項は解答の対象外です。
設問1(1)|冷却塔の配置
吐き出した湿った空気を再び吸い込まないよう、周囲の壁や他の冷却塔との間に、吸込み・排出に必要な空間を確保します。
排気の回り込みが起こると、冷却に使う空気の状態が悪くなり、能力に影響します。問題が求める「運転の観点」に合わせ、空気の吸込みと排出を妨げない配置を答えます。
私の現場では、建築の納まりの都合で外気取入れガラリの位置が変わり、冷却塔との距離が近くなりました。そのため、現場の施工図段階で屋上の機器配置を変更しました。冷却塔側だけで配置を決めず、建築側の変更に合わせて外気取入口との関係も確認した事例です。
設問1(2)|冷温水管の保温
保温材を管や継手に隙間なく取り付け、防湿層の合わせ目・継ぎ目を連続して密封し、結露を防ぎます。
冷温水管は冷房時に周囲の空気より冷たくなります。保温材が入っていても、継ぎ目や支持部から湿った空気が入り込むと結露につながるため、保温厚さとあわせて防湿層の連続性を確保します。
設問1(3)|空気調和機の基礎への据付け
コンクリート基礎が必要な強度に達していることを確認し、機器の水平を調整してからアンカーボルトで固定します。
据付け前の基礎の状態と、据付け時の水平・固定を答える例です。機器を傾けたまま配管やダクトをつなぐと、接続部に無理な力が加わるため、接続工事の前に据付け状態を整えます。
設問1(4)|Vベルト駆動の送風機の個別試運転
Vベルトの張りとプーリーの芯を確認し、運転時に滑り、異常振動、異常音がないことを確認します。
Vベルト駆動という条件に合わせて、動力を伝える部分を確認する答案です。張りが弱いと滑り、強すぎると軸受に負担をかけます。規定の張りに調整したうえで運転状態を確認します。
設問2|シーリングディフューザーの特徴
天井から周囲へ空気を広く吹き出し、室内空気を誘引して混合するため、吹出し空気を拡散させやすい吹出口です。
設問3|総合試運転調整
各室の吹出口風量を測定して設計風量に調整し、室温設定を変えたときにVAVユニットが追従して風量を変えることを確認します。
対象建物は変風量単一ダクト方式です。送風機単体の回転確認にとどまらず、室内の負荷に応じて末端の風量が変わることまで確認します。
問題5|給排水衛生設備の施工・試運転に関する解答例
給排水衛生設備の選択問題です。高置タンク方式、揚水ポンプ、排水用水中モーターポンプなど、設備概要で指定された機器・方式に合わせて答えます。
設問1(1)|排水用水中モーターポンプの据付位置
点検・交換時に槽外へ引き上げられるよう、ポンプをマンホール開口の直下に据え付けます。
据付位置を聞かれているため、「定期点検する」ではなく、引き上げられる位置を指定します。ポンプの上に配管などが横切ると搬出を妨げるので、開口までの経路も含めて位置を決めます。
私の現場では、湧水対策のピットに排水用水中モーターポンプを2台設ける際、メンテナンスや交換に使う引き上げ用レールもセットで納入するよう手配しました。建築には、それぞれのポンプに対応するマンホール用開口を要望しました。
設問1(2)|屋内給水管の保温
保温材の継ぎ目や支持部に隙間ができないよう施工し、防湿層を連続させて給水管の結露を防ぎます。
屋内でも、冷たい給水管に湿った空気が触れると結露します。直管部だけを巻いて終わらず、継手や支持部で保温・防湿が途切れないようにする点を答えます。
設問1(3)|白管のねじ接合
ねじ部に付着した切削油や切りくずを除去し、おねじに適量のシール剤を塗って、適正なねじ込み量で接合します。
ねじ切り後の清掃を省くと、異物が管内に残ったり、接合面の密封を妨げたりします。
設問1(4)|遠心ポンプの個別試運転
ポンプ内を充水して空気を抜き、所定の回転方向を確認したうえで、運転中の電流、圧力、振動、異常音を確認します。
空気が残ったままの運転や回転方向の間違いは、所定の揚水量が得られない原因になります。個別試運転では、まずポンプ自体が正常に運転できる状態かを確認します。
設問2|遠心ポンプの特徴
羽根車の回転で水にエネルギーを与え、ケーシング内で圧力に変えて送水するポンプです。
設問3|総合試運転調整
高置タンクの水位を変化させ、設定水位で揚水ポンプが自動発停することと、2台の交互運転が正常に行われることを確認します。
この設備は高置タンク方式なので、水位の検出とポンプの制御を組み合わせて確認します。ポンプが手動で運転できても、水位信号との連動が正しくなければ給水設備として正常に使えません。
令和6年度|1級管工事施工管理技士の2次試験解答例

令和6年度も問題1〜3が必須で、問題4・5から1問を選択します。令和6年度の試験問題は、こちらからダウンロードできます(PDF)。
図を使う問題は、解答に必要な状況を文章で説明し、施工上の考え方を示す図とあわせて解説します。
問題1|施工の正誤・排水通気・施工図の改善に関する解答例
設問1|施工に関する5つの正誤
| 番号・対象 | 解答 | 理由・正しい考え方 |
|---|---|---|
| (1)Uボルトによる固定支持 | ○ | Uボルトは管軸方向の滑りを十分に拘束する固定点としては扱いません。管を締め付けた摩擦で軸方向の力に抵抗する構造のため、固定支持には管軸方向の動きを拘束できる固定金物を用います。 |
| (2)VAVユニット上流の直管部 | × | 長辺寸法と同じ長さを設けるだけでは不十分です。風速センサー形では上流側に十分な直管部を確保し、偏流の影響を抑えます。 |
| (3)高置タンクの満水警報と揚水ポンプ停止 | × | 通常の揚水ポンプ停止を確認するのは設定された停止水位です。満水警報の確認とは分けます。 |
| (4)冷温水管の分岐部の伸縮吸収 | ○ | エルボを3個以上使うなど、配管の曲がりで伸縮を吸収できる取り回しにします。 |
| (5)流電陽極方式のマグネシウム合金 | ○ | 防食対象の金属よりも先に腐食する陽極を接続し、防食電流を流す方法です。 |
VAVは風量を測定しながら調節する機器なので、入口の流れが偏ると測定に影響します。風速センサー形については、標準仕様では上流側にダクト径の4倍程度の直管部を確保します。実際の施工では、機器の形状や上流のエルボ・分岐に応じたメーカーの施工要領も確認します。
高置タンクでは、通常の発停水位と、異常を知らせる満水・減水の警報水位を区別しましょう。水位を検出するという共通点だけで、警報と発停を同じ動作として扱わないことがポイントです。
流電陽極方式は、マグネシウム合金を配管の代わりに腐食させ、鋼管を守る方法です。埋設配管に用いる場合は、マグネシウム合金の陽極を実際に地中へ埋め、電線で鋼管と接続します。異なる金属の電位差を利用するため、外部電源は不要です。
設問2|排水・通気設備の改善2点
問題の系統では、上階の衛生器具につながる排水立て管の上端に伸頂通気がなく、地下の排水槽からの通気管が他の通気系統へ接続されています。

改善案①:
排水立て管の上端を延長して伸頂通気管を設け、屋外の大気に開放します。
排水が流れると、管内の空気も一緒に動きます。上端で空気が出入りできるようにし、管内の圧力変動によるトラップ封水への影響を抑えます。最高階の器具につながる横枝管だけで立て管を終わらせないことを確認します。
改善案②:
排水槽の通気管は他の通気管から切り離し、単独で屋外の大気に開放します。
排水槽には排水の流入やポンプ排水に伴う空気の出入りがあります。他の通気系統と共用せず、排水槽専用の経路で通気させます。答案では「通気管を追加する」だけでなく、他系統と接続しないことを示します。
設問3(1)|単式伸縮管継手の取付け
図では、単式伸縮管継手の片側を固定し、伸縮する側を吊りバンドで支持しています。

伸縮する側の吊り支持をガイド支持に変更し、管軸方向には動けるようにしながら、軸に直角な方向の移動を拘束します。
伸縮管継手に横方向のずれや曲げが加わると、軸方向の伸縮を適切に受けられません。伸び縮みする方向を止めるのではなく、ガイドで動く方向をそろえます。
設問3(2)|ポンプ回り配管
図では、吐出し側には防振継手がありますが、吸込み側は配管が直接接続されています。

ポンプの吸込み側にも防振継手を設け、ポンプの振動が吸込配管へ伝わるのを抑えます。
吐出し側だけで振動を絶っても、吸込み側の配管を通じて振動が伝わる経路が残ります。どちら側の接続を改善するかまで書くと、図中の指摘箇所が明確になります。
設問3(3)|風量調節ダンパーと消音エルボの位置
図は、空気が主ダクトから分岐し、消音エルボ、風量調節ダンパー、吹出口の順に流れる配置です。

風量調節ダンパーを消音エルボの上流側へ移し、ダンパーで発生する気流音を消音してから吹出口へ送ります。
ダンパーは風量を絞るときに音を発生させます。消音エルボを通過した後で音が生じる配置では、その音を十分に減らせません。図の左右ではなく、空気の流れる順序で上流・下流を判断します。
問題2|ネットワーク工程表の解答と計算手順
解答一覧
| 設問 | 解答 |
|---|---|
| 1:当初のクリティカルパス | ①→②→③⇢④→⑤⇢⑥→⑧⇢⑨→⑩ |
| 2:単独の変更で全体工期に影響しない条件 | d(Hが1日増える場合) |
| 3:4つの変更が同時に生じた場合の延長 | 2日 |
| 4:変更後、イベント数が最少のクリティカルパス | ①→④→⑥→⑧⇢⑨→⑩ |
| 5:1日短縮すると全体工期も1日短くなる作業 | D |
ここでも「⇢」は日数0日のダミーです。計算に必要な作業のつながりと日数は、次のとおりです。

設問1|クリティカルパスとなる経路を回答する
①から④までは、Bの5日よりもA+Cの3+4=7日が長くなります。⑥に入るDとEでは、Dの6日よりEの7日が長いので、Eとダミーを通る経路が⑥の時刻を決めます。
| イベント | 当初の最早時刻 |
|---|---|
| ① | 0日 |
| ② | 3日 |
| ③・④ | 7日 |
| ⑤・⑥ | 14日 |
| ⑦・⑧・⑨ | 17日 |
| ⑩ | 23日 |
最も長い経路の実作業はA・C・E・G・Iです。所要日数は3+4+7+3+6=23日で、ダミーを含めてつなぐと設問1の解答になります。
⑨にはFを通る経路も入りますが、こちらは7+8=15日で到着します。⑧からダミーで来る17日を待つので、⑨を15日として先へ計算しないようにします。
設問2|作業日数が増えた場合に全体に影響のない工程を選択する
Aが1日、Bが3日、Dが2日、Hが1日、作業日数が増やた場合に全体工程に影響が出ないものを回答します。
| 条件 | 変更したときの考え方 | 全体工期 |
|---|---|---|
| a:Aが1日増加 | 当初のクリティカルパス上なので、1日延びます | 24日 |
| b:Bが3日増加 | Bが5日から8日になり、A+Cの7日を1日上回るため、1日伸びます | 24日 |
| c:Dが2日増加 | Dが6日から8日になり、Eの7日を1日上回るため、1日伸びます | 24日 |
| d:Hが1日増加 | H・Kを通る経路の余裕1日を使うだけなので、全体工期には影響しません | 23日 |
したがって答えはdです。
設問3|設問2の4つの作業日数が全て増えた場合、全体工期が何日延長となるかを回答する
変更後はA=4日、B=8日、D=8日、H=4日です。④にはA+C=4+4=8日とB=8日が同時に到着します。
⑥はD経由の8+8=16日、E経由の8+7=15日を比較し、16日になります。そこからGの3日、Iの6日が必要なので、16+3+6=25日です。
延長は25−23=2日です。増加した日数分、そのまま1+3+2+1=7日としてしまうと、並行する作業や、もともとの余裕が考慮されないため誤りです。
設問4|全体工期が伸びた条件でクリティカルパスとなる経路のうち、イベント数の少ない方を選択する
変更後、④に至る経路はA+CとBの両方が8日です。そのため、次の2経路が25日のクリティカルパスになります。
- A・Cを通る経路は、①→②→③⇢④→⑥→⑧⇢⑨→⑩です。
- Bを通る経路は、①→④→⑥→⑧⇢⑨→⑩です。
設問はイベント数が最少の経路を指定しているので、Bを通る後者が正解となります。
設問5|作業日数が増えた工程のうち、1日短縮することで全体が1日短縮できるものを選ぶ
Aだけを1日短縮しても、Bの8日が残ります。Bだけを短縮しても、A+Cの8日が残るため、どちらも④の時刻は早まりません。
Dは両方の経路が合流した後の共通作業です。Dを8日から7日にすれば、⑥は15日、⑩は24日になり、全体工期も1日短くなります。Hを短縮してもD・G・Iの経路が25日のまま残るので、答えはDです。
問題3|安全管理の解答と根拠
設問1|石綿を扱う設備と点検
| 空欄 | 解答 | 理由 |
|---|---|---|
| A | 局所排気装置 | 粉じんが出る場所から吸引し、作業場への拡散を抑える装置です。 |
| B | 1 | 石綿作業主任者が行う装置の点検は、1月を超えない期間ごとです。 |
| C | 3 | 定期自主検査の結果は、3年間保存します。 |
混同しやすいのが、点検の間隔と定期自主検査の間隔です。Bの点検は1月以内ごと、設問中の定期自主検査は原則として1年以内ごとに1回で、その記録を3年間保存します。
設問2|足場の教育と高所作業車の保護具
| 空欄 | 解答 | 理由 |
|---|---|---|
| D | 特別教育 | 足場の組立て・解体・変更の業務について求められる教育です。 |
| E | 墜落制止用器具 | 空欄の前にある「要求性能」とつながり、作業床上で使用する器具を示します。 |
Eに「要求性能墜落制止用器具」と書くと、設問の前後とつないだときに語句が重複してしまいますので注意しましょう。
根拠:石綿作業の設備・点検・記録、高所作業車の保護具、足場の特別教育
問題4|吸収冷温水機・冷却塔に関する解答例
1階の機械室に吸収冷温水機、屋上に冷却塔を設置する条件の空調設備の問題です。設問1では保守管理や施工、設問2では機器の特徴と据付け後の技術的な確認を答えます。
設問1(1)|吸収冷温水機の配置
伝熱管の清掃・交換ができるよう、管を引き抜く側に必要な作業空間を確保し、他の機器や壁でふさがない配置とします。
外形寸法だけで機器を並べると、据え付けられても部品を取り出せない場合があります。保守管理の観点では、機器本体の周囲を通れることに加え、点検する部品をどちらへ引き抜くかまで考慮して計画する必要があります。
設問1(2)|吸収冷温水機回りの配管
水室のふたを外して伝熱管を清掃できるよう、接続配管にフランジ継手を設け、取り外せる構成にします。
点検用の空間を確保しても、その前を外せない配管が横切ると保守の妨げとなります。
私の現場では、メーカー指定のメンテナンススペースを確保したうえで、バルブは脚立を使わずに操作できる高さに設置しました。また、将来クレーンで機器を交換できるか、揚重計画も考えながら他の機器配置と調整しました。
設問1(3)|冷却塔の基礎
冷却水を含む運転時の重量を支えられる構造部に基礎を設け、機器が水平に据わるよう基礎天端の高さをそろえます。
空の機器の重量だけで基礎を考えないことが要点です。屋上の冷却塔は、運転時に水を保持しながら送風機も動くため、運転状態の荷重を受けられる基礎とします。
設問1(4)|冷却塔回りの配管
冷却水配管を独立して支持し、配管の重量や伸縮による力が冷却塔の接続口に直接かからないようにします。
冷却塔の接続口を配管の支え代わりにしないことが重要です。どこが荷重を受けるかまで検討します。
設問2(1)|吸収冷温水機の特徴
水を冷媒、臭化リチウム水溶液を吸収液として用い、熱エネルギーで吸収液を再生する吸収冷凍サイクルで冷水を作ります。
冷房時の仕組みを特徴として答える例です。水が蒸発するときに熱を奪い、その蒸気を吸収液に吸収させます。
設問2(2)|据付け後から総合試運転までの技術的事項
冷温水・冷却水の配管内を洗浄してストレーナーの異物を除去し、機器へ所定の水量が流れるよう流量を測定・調整します。
配管内の異物や流量不足は、機器の伝熱性能や正常な運転に影響します。設問1で書いた点検空間や配管支持を再掲せず、運転に向けて水回路を整える内容を答えます。
問題5|受水タンク・ステンレス鋼管に関する解答例
1階の受水タンク室にFRP製パネルタンクを設け、給水管に一般配管用ステンレス鋼鋼管を使う条件です。タンクの配置、配管、溶接、支持を別々の対象として答えます。
設問1(1)|受水タンクの配置
タンクの側面・底部・上部を点検できる空間を確保し、周囲の壁や配管が点検・清掃を妨げない位置に配置します。
漏水や外面の異常を見つけられるよう、タンクの外側から確認できる空間を取ります。「点検しやすくする」とだけ書くより、どの面を点検できるようにするかを示すと具体的です。
私の現場では、受水槽の周囲に600mm、上部に1mの空間を確保しました。安全に昇降するため背かご付きタラップを設け、残留塩素の測定を簡易化するため残留塩素濃度計も設置しました。この設問の解答では、保守管理のための配置を聞かれているので、まず点検空間の確保を答えます。
設問1(2)|受水タンク回りの配管
FRP製タンクの接続管(排水管・通気管を除く)には合成ゴム製フレキシブルジョイントを設け、配管を別に支持して、タンク本体へ荷重がかからないようにします。
タンクの材質に合わせた継手を使い、機器と配管の間の変位を受けられる構成にします。フレキシブルジョイントを入れたことだけで終わらず、接続管の重さをタンクに預けない支持も必要です。
設問1(3)|ステンレス鋼管の溶接
管内をアルゴンガスで置換してバックシールドを行い、溶接部の内面の酸化を抑えながらTIG溶接します。
外側の溶接面だけでなく、管内面も酸化から保護する必要があります。
設問1(4)|鋼製金物による支持
ステンレス鋼管と鋼製支持金物の間に合成樹脂などの絶縁材を介し、異種金属が直接接触しないようにします。
異種金属の接触部が湿ると、腐食の原因になります。
設問2(1)|FRP製パネルタンクの特徴
耐食性があり、パネルを現場で組み立てられるため、搬入口の大きさに制約がある場所にも搬入しやすいタンクです。
材料の特徴とパネル構造の利点を結び付けた例です。「さびにくい」「軽い」と単語を並べるだけでなく、施工上どのような利点になるかまで説明します。
設問2(2)|据付け後の技術的事項
タンク内を清掃した後に満水試験を行い、パネルの接合部や配管接続部から漏水がないことを確認します。
現場で組み立てるタンクなので、据付け後に接合部の水密性を確認する必要があります。設問1の配置や配管施工の話ではなく、組立てが完了したタンクに対して何を試験するかを答えます。
参考:機器・配管の施工基準
回答を作るときの確認ポイント

回答を作成ときには、次のポイントを中心に確認するようにしましょう。
- 設問で聞かれたことについて答えているか
- 何をどう施工するのか具体的に書けているか
- 計算に使う数値や単位を間違えていないか
旧形式試験で経験記述を作成済みの方は、次の記事で活用方法を具体的に解説しています。

設問で聞かれたことについて答えているか
例えば、令和7年度の問題5で、ポンプの「据付位置」を聞かれている欄に「回転方向を確認します」と書いても、位置の答えにはなっていません。
令和6年度の問題4では、設問1の技術事項を設問2で重ねて書かない条件もあります。解答を比べる前に、対象となる機器、聞かれている観点、除外されている事項を設問ごとに確認しましょう。
何をどう施工するのか具体的に書けているか
「メンテナンスしやすいように設置します」では、どの機器をどう置くかが分かりません。たとえば次のように、操作や交換の方法を文章に含めます。
| 曖昧な答案 | 具体化した答案の例 |
|---|---|
| ポンプを点検しやすく設置します。 | 点検・交換時に引き上げられるよう、ポンプをマンホール開口の直下に据え付けます。 |
| 配管を適切に支持します。 | 配管を独立して支持し、重量がタンクの接続口にかからないようにします。 |
| 結露しないよう保温します。 | 保温材を隙間なく取り付け、防湿層の継ぎ目を密封します。 |
自分の答案に「適切に」「十分に」だけで終わる箇所があれば、その後に何を確認・施工するかを足します。
計算に使う数値や単位を間違えていないか
ネットワーク工程表のような条件変更のある問題は、元の日数を残したまま暗算するとミスのもとです。変更後の数値を図の横に書き直して計算するようにしましょう。
また、異なる単位同士でそのまま計算してしまうといったことも良くあるミスなので注意しましょう。
1級管工事施工管理技士の2次試験解答例でよくある質問

- 解答例と違う書き方でも正解になる?
-
当然ながら解答例と一字一句同じ文章にする必要はありませんし、別の観点からの解答もあります。解答例だけを鵜呑みにせず、有資格者などに客観的なアドバイスをもらうことが合格への近道です。
- 令和5年度以前の旧形式の過去問も勉強した方がいい?
-
まず令和6・7年度で現在の出題形式に慣れ、その後に旧形式の問題で技術知識や工程表の計算を補強する進め方がおすすめです。
令和5年度には、自分が経験した工事を取り上げる経験記述問題があり、工程管理と安全管理も選択問題でした。令和6年度からは形式が変わり、工程管理・安全管理が必須になっています。
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記述問題は正解は1つではありません。様々な観点から、複数の解答が存在します。
自分の書いた回答があっているのか、不足している点はないのか、客観的な指摘をもらい、合格圏に届く回答作成力を身に着けていくことが重要です。
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