1級管工事施工管理技士 過去問|令和7年第5問 理想気体の状態方程式解説

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1級管工事施工管理技士 第一次検定の令和7年 第5問は、理想気体の状態方程式(ボイル・シャルルの法則)を使う計算問題でした。圧力と温度が変わったときの体積を求める、いわば「公式に数字を放り込むだけ」の典型的な得点源です。

本記事では1級管工事施工管理技士を保持する現役設備設計者の視点から、結論→公式の意味→計算手順→誤答パターン→実務目線の流れで一気に整理します。覚えるのは公式1本、計算は3ステップ。読み終わるころには、本番で迷わず正解を選べるレベルになっています。

流体力学3点セット(第2〜4問)の次は、熱力学の計算問題。ボイル・シャルルの法則は公式を覚えていれば1分で解ける、確実に拾いたい1点です。

目次

令和7年 1級管工事 第5問はこんな問題(計算型)

ボイル・シャルルの法則の概念図:圧力計・シリンダー・温度計とP₁V₁/T₁=P₂V₂/T₂の公式

令和7年 第5問は、理想気体の圧力・温度・体積の変化を計算する問題です。状態①の条件を状態②に変えたとき、体積がいくつになるかを求めます。問題の要旨を自分の言葉で整理します。

問題の要旨(要約)

ある量の理想気体が、圧力 6 x 10⁵ Pa、絶対温度 300 K、体積 60 L の状態にある。この気体の圧力を 3 x 10⁵ Pa、絶対温度を 360 K に変化させたとき、体積はいくらになるか

選択肢は次の4つ。正解は③(144 L)です。

番号体積
100 L
120 L
144 L
240 L

問題本文・図は公式PDFを下のボタンから確認できます。

※公式サイトでは過去年度のPDFが順次削除される場合があります。リンク切れ時は過去問アーカイブサイトをご利用ください。

計算型ですが、やることは公式に数字を入れるだけ。電卓すら不要で、暗算3ステップで答えが出ます。

結論:正解は③(144 L)/公式1本で3ステップ

令和7年第5問の正解:③ 144 L を黒板風に表示

先に答えだけ知りたい方のために結論をまとめます。正解は③ 144 L。ボイル・シャルルの法則に数字を代入するだけで求まります。

  • 使う公式:ボイル・シャルルの法則 P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂
  • 計算:V₂ = 60 x (6/3) x (360/300) = 60 x 2 x 1.2 = 144 L
  • ポイント:圧力が半分(↓)→ 体積2倍(↑)、温度が1.2倍(↑)→ 体積1.2倍(↑)

覚え方は、「気体は、圧力が下がれば膨らみ、温度が上がれば膨らむ」。風船を思い浮かべれば直感とも合います。圧力と温度と体積の「三角シーソー」のように、1つを動かせば残りも必ず動くイメージです。

結論だけ確認したい方はここでOK。公式の構造から理解したい方は、次のセクションで式を丁寧に分解していきます。

ボイル・シャルルの法則とは|P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂ を分解する

ボイル・シャルルの法則の公式分解:変化前と変化後の対応表

ボイル・シャルルの法則は、理想気体の量が一定のとき「圧力 x 体積 / 温度」が変化の前後で等しいことを表す式です。形は次の1本だけ。

P₁V₁ / T₁ = P₂V₂ / T₂

各記号の意味と、この問題での数値を表にまとめます。

記号意味変化前(状態1)変化後(状態2)
P圧力6 x 10⁵ Pa3 x 10⁵ Pa
V体積60 L?(求める)
T絶対温度300 K360 K

この法則は、ボイルの法則(温度一定なら PV = 一定)とシャルルの法則(圧力一定なら V/T = 一定)を1本にまとめたものです。2つの法則を別々に覚える必要はなく、この1本さえ書ければ全パターンに対応できます。

補足|「理想気体」の条件

ボイル・シャルルの法則が成り立つのは理想気体(分子の大きさと分子間力を無視できる仮想的な気体)のとき。常温・常圧の空気や窒素は理想気体として十分な精度で扱えます。一方、冷媒(R32など)は高圧・低温で液化するため、原則として理想気体ではなく実在気体として扱います(低圧の気相領域では近似的に適用する場合もありますが、実務では冷媒物性表を使うのが基本です)。試験では「理想気体とする」と問題文にあるので、迷わずこの公式を使えばOKです。

ボイルの法則とシャルルの法則を別々に暗記する必要はありません。P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂ の1本だけで全部カバーできます。

3ステップで解く計算手順|数字を放り込むだけ

計算手順フロー図:Step1式を立てる→Step2比を作る→Step3掛け算で144L

この問題は V₂ を求めるので、公式を V₂ について解いてから数字を入れます。手順は3ステップ、暗算でも1分以内です。

Step 1|V₂ の式を立てる

P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂ の両辺を整理して、V₂ だけを左辺に残します。

V₂ = V₁ x (P₁/P₂) x (T₂/T₁)

元の体積に、圧力の比と温度の比を掛ける」だけです。圧力は P₁/P₂(変化前 / 変化後)、温度は T₂/T₁(変化後 / 変化前)と上下が逆であることだけ注意してください。

Step 2|比を作る

問題文の数字を比にします。

  • 圧力比:P₁/P₂ = 6 x 10⁵ / 3 x 10⁵ = 2(圧力が半分に下がった = 体積は2倍に膨らむ)
  • 温度比:T₂/T₁ = 360 / 300 = 1.2(温度が上がった = 体積はさらに1.2倍に膨らむ)

10⁵ は分子・分母で消えるので、有効数字だけで計算します。

Step 3|掛け算

最後に掛け算するだけです。

V₂ = 60 x 2 x 1.2 = 144 L → 答えは③

電卓がなくても「60 x 2 = 120 → 120 x 1.2 = 144」で到達できます。本番では1分もかかりません

補足|圧力比と温度比の「上下」を間違えない覚え方

圧力と温度の比は上下(分子・分母)が逆です。「圧力が下がると膨らむ、温度が上がると膨らむ」という直感をセットで覚えれば、式変形を忘れても比の向きを間違えません。圧力は反比例(逆数を掛ける)、温度は正比例(そのまま掛ける)です。

3ステップ:①式を立てる → ②比を作る → ③掛け算。本番でも、この手順をそのまま踏めば1分で終わります。

よくある間違い3パターン|選択肢①②④の落とし穴

誤答パターン3つの比較図:②120L温度忘れ・①100L比の逆・④240L暗算ミス

正解は③ですが、誤答の①②④もそれぞれ「ありがちなミスを誘う罠」として配置されています。本番で同じミスをしないために、3つの落とし穴を整理しておきます。

罠①:② 120 L(温度変化を完全に忘れる)

一番多いミスがこれです。圧力変化だけ考えて、温度変化を無視するパターン。V₂ = 60 x (6/3) = 120 L。ボイルの法則(PV = 一定)だけで解いてしまい、シャルルの法則(温度の効果)を忘れています。問題文に「絶対温度」が2つ書いてあるのに計算で使っていないなら赤信号。数字が全部登場しなければ、何か見落としていると疑いましょう。

罠②:① 100 L(温度の比を上下逆にする)

温度変化は考えたが、比の上下を逆にしてしまうパターンです。V₂ = 60 x (6/3) x (300/360) = 60 x 2 x 5/6 = 100 L。温度が上がったのに体積が減る計算になっており、直感と矛盾します。「温度が上がったのに体積が減っている?」と感じたら、比の向きを確認してください。

罠③:④ 240 L(温度比の暗算ミス)

圧力比は正しく計算できたが、温度比 360/300 = 1.2 を 2 と誤認するパターン。V₂ = 60 x 2 x 2 = 240 L。本番の緊張下では「300 → 360」を「2倍」と暗算ミスするケースがあります。暗算のスピードより、比の値の確認を優先しましょう。「360 = 300 x 1.2」と分解するか、電卓で「360 / 300」を一発叩くのが確実です。

派生論点|「絶対温度」を使うことの意味

ボイル・シャルルの法則で使う温度は絶対温度(K:ケルビン)で、摂氏(℃)ではありません。変換式は「K = ℃ + 273.15」ですが、試験では端数を丸めて 27 ℃ ≈ 300 K、87 ℃ ≈ 360 K として計算します(厳密には 300.15 K / 360.15 K ですが、有効数字3桁で十分です)。もし摂氏のまま代入すると比がまるで変わります。問題文に「絶対温度」と書かれていることを確認してから計算に入るのが安全です。

3つの罠はすべて「比の作り方」のミス。圧力と温度の数字が全部使われているか、直感と矛盾しないかを最後にチェックすれば防げます。

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試験=公式に代入、実務=公式を直感で理解できていると迷わない

試験と実務の対比図:試験は公式代入、実務は膨張タンク・圧縮空気・気密試験

膨張タンクの容量計算や圧縮空気の換算で迷うことがありますが、「圧力が下がると膨らむ」、「温度が上がると膨らむ」という直感をもっておくと迷いません。

①理想気体はあくまで「近似モデル」

試験では「理想気体とする」と前提が与えられますが、実務で扱う気体は常に「現実の気体」です。空気・窒素は常温常圧なら理想気体近似で十分ですが、冷媒(R32・R410A)や蒸気は高圧・相変化を伴うため、原則として理想気体ではなく実在気体として扱います。実務では冷媒物性表やp-h線図(モリエ線図)を使うのが基本です。逆に言えば、「理想気体で通用する範囲」と「通用しない範囲」の境目を知ることが、実務で気体の性質を理解する第一歩になります。

②圧縮空気配管では「大気圧換算」が日常

工場やクリーンルームの圧縮空気配管では、コンプレッサーの吐出量(L/min)を「大気圧換算」で表記するのが業界標準です。たとえばゲージ圧 0.7 MPa で実圧下の吐出量が 1,000 L/min なら、絶対圧は約 0.8 MPa(= 0.7 + 0.1013)。大気圧 0.1013 MPa との比は約 7.9 なので、大気圧換算では約 7,900 L/min(概算で約 8,000 L/min)。ボイルの法則 PV = 一定そのものです。試験では「60 L → 144 L」の計算ですが、実務では「吐出量を大気圧に戻す」形で毎日使っている概念です。

③密閉式膨張タンク=PV = 一定の応用そのもの

空調設備の冷温水配管に取り付ける密閉式膨張タンクは、内部のダイヤフラムで水と窒素ガスを仕切った構造。温水の体積膨張を窒素ガスの圧縮で吸収します。タンク容量の計算式はまさにボイルの法則 P₁V₁ = P₂V₂ の応用です。試験で覚えた公式が実務の膨張タンク選定でそのまま生きる、数少ない例と言えます。

④気密試験で温度補正を忘れると「漏れ」と誤判定される

配管の施工後に行う空圧テスト(気密試験)では、規定圧力まで加圧してから圧力降下を確認します。ここでよくあるのが、朝と昼の気温差で圧力が変動する現象。シャルルの法則で温度が上がれば圧力が上がり、温度が下がれば圧力が下がります。温度変化による圧力降下を「漏れ」と誤判定して、漏れのない配管を再施工させた――という実話は現場でたまに耳にします。

⑤冷凍サイクル=「理想気体では回せない」が入口はここ

冷凍機やエアコンの冷凍サイクルは、冷媒の蒸発・凝縮(相変化)を利用します。相変化する以上、理想気体の仮定は成り立ちません。しかし「圧縮すると温度が上がる」「膨張すると温度が下がる」という気体の基本的な振る舞いは、まさに理想気体の状態方程式から導かれるもの。冷凍理論を学ぶ入口として、ボイル・シャルルの法則は避けて通れない基礎知識です。

実務メモ|圧縮空気の主要スペック

一般的な工場用圧縮空気はゲージ圧 0.6 ~ 0.7 MPa 前後が多いですが、用途によって異なります(塗装用は 0.4 MPa 前後、クリーンルーム用はさらに露点管理が加わります)。コンプレッサーの選定では「大気圧換算吐出量」と「使用圧力」のセットで仕様を決めるので、ボイルの法則の感覚を持っているかどうかが打合せの理解度を左右します。

試験では「公式に代入」、実務では「膨張タンク・気密試験・圧縮空気で日常的に体感」。両方の視点を持っていると、現場でも試験でも強くなれます。

関連過去問でセット学習|原論7問を一気に攻略

原論7問の体系マップ:流体力学3問・熱力学3問・環境工学1問のグループ分け

1級管工事の原論分野(第1〜7問)は、環境工学・流体力学・熱力学の3カテゴリで構成されています。第5問の理想気体は熱力学カテゴリに属します。同じカテゴリの第6問(伝熱)・第7問(湿り空気線図)と地続きで学ぶのが効率的です。

  • 流体力学:第2問(レイノルズ数)→ 第3問(ベルヌーイ)→ 第4問(ダルシー・ワイスバッハ)
  • 熱力学第5問(理想気体) → 第6問(伝熱)→ 第7問(湿り空気線図)

原論7問は毎年ほぼ同じテーマで出題されるので、過去問を1問ずつ潰していけば確実に得点源にできます。

流体力学3問の解説はコンプリート済み。次は同じ原論の第6問(伝熱)・第7問(湿り空気線図)へ進みましょう。

まとめ|公式1本を覚えれば1点確定

まとめ:P₁V₁/T₁=P₂V₂/T₂→③144L、1点確定スタンプ

本記事のポイントを整理します。

  • 正解:③(144 L)
  • 根拠:ボイル・シャルルの法則 P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂
  • 計算:V₂ = 60 x (6/3) x (360/300) = 144 L
  • 覚え方:「圧力が下がれば膨らむ、温度が上がれば膨らむ」= 風船の直感そのまま
  • 誤答の罠:②は温度忘れ、①は温度比の上下逆、④は暗算ミス
  • 実務:圧縮空気の大気圧換算・膨張タンク選定・気密試験の温度補正で日常的に使う概念

ボイル・シャルルの法則は、覚える公式1本・計算3ステップで確実に1点が拾える得点源です。式の暗記より、「圧力と温度と体積のシーソー」という感覚を先に掴んでください。

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この記事を書いた人

現役20年の設備エンジニア。
「転⁠職⁠し⁠た⁠け⁠ど⁠残⁠っ⁠た」立場から発⁠信。

20〜30代の建設業エンジニアに、
「市⁠場⁠価⁠値⁠で⁠決⁠め⁠る⁠キ⁠ャ⁠リ⁠ア」を伝⁠授。

転職エージェント登録経験から、
「現⁠職⁠を⁠活⁠か⁠す⁠働⁠き⁠方」を発⁠信⁠中。

【保有資格】
・設⁠備⁠設⁠計⁠一⁠級⁠建⁠築⁠士
・建⁠築⁠設⁠備⁠士
・一⁠級⁠管⁠工⁠事⁠施⁠工⁠管⁠理⁠技⁠士
・一⁠級⁠電⁠気⁠工⁠事⁠施⁠工⁠管⁠理⁠技⁠士 ほか

詳⁠し⁠い⁠プ⁠ロ⁠フ⁠ィ⁠ー⁠ル⁠は⁠こ⁠ち⁠ら

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